ソフトバンク・高橋礼2戦17四死球…それでも工藤監督「行かせる」続投させた真意

うつむき加減でベンチへ戻るソフトバンク・高橋礼

続投は監督の独断だった――。ソフトバンクは3日の西武戦(ペイペイ)で一度も主導権を握れず、4―7の完敗。4連敗を喫し、開幕4連勝でつくった貯金がなくなった。先発した高橋礼投手(25)は6回4安打、8四死球を出して5失点。2試合連続の制球難で今季初黒星を喫した。

前回ロッテ戦でも9四死球と荒れたサブマリンが、またしても乱れた。初回から3四死球で3失点。24分間に及ぶ長い守備時間が味方の攻撃リズムを崩し、反撃ムードを削いだのは否めなかった。5回からは身上のワインドアップ投法を封じ、無走者でもクイック投法。必死に修正を試みたが、結果がついてこなかった。

2回で50球を超え、5回までに107球を要した。ベンチでは森山投手コーチが工藤公康監督(57)に「5回で交代」を進言。だが、指揮官は「代えない。行かせる」と応じず。「気持ちが出ていた」と独断で続投を決めた。

理由は「何か収穫がないと、そこで投手はずっと悩んでしまう。出口が見えなくなる。出口とは、抑えたという結果。そのために行かせた」。高橋礼は6回をこの試合で始めて三者凡退に封じ降板。「120球になったから代えた」。球数が少なければ、さらに〝続投延長〟させた可能性も示唆した。

2戦連続のふがいない結果となったサブマリン。それでも〝表ローテ〟を託す投手の一人に指揮官は「金土日の投手は柱として投げてほしい。次のチャンスはある」。

降板後、高橋礼は「前回と同じ失敗をしてしまった。野手の方にも中継ぎの方にも本当に申し訳ない。もう一度自分の投球を見つめ直します」と球団を通じてコメント。託された思いから逃げず、使命感を持ってマウンドでやり返すしかない。

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