スケボー迷惑滑走の取り締まり強化 解決へ施設「整備を」

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県内有数規模の新横浜公園スケボー広場。多くの若者がスケートボードを楽しむ=横浜市港北区

 気兼ねなくスケートボードを練習できる場所を増やして-。県警が禁止場所での滑走の取り締まりに本腰を入れる中、NPO法人「横浜スケートボード協会」がそんな声を上げている。騒音苦情や衝突事故の発生で街中での滑走に厳しい視線が向けられる一方、今夏の東京五輪で正式種目に採用されるなど、若者を中心に競技への関心が高まっている。協会関係者は法令違反を戒めるとともに、施設整備などハード面の充実なくして問題の解決にはならないと訴える。

 3月中旬の平日、横浜市港北区の新横浜公園スケボー広場は活気に満ちていた。スケートボード施設としては県内有数の敷地面積約7千平方メートルを誇る空間。低音の滑走音が響く中、ストリートファッションに身を包んだ若者が大技を決めようと、ひたむきに練習に打ち込む姿があった。

 年末年始を除き年中無休、そして無料。コンクリートやウッドデッキなどのエリアに分かれ、技を磨くために必要なさまざまな起伏や構造物も備える。

 昨年6月にリニューアル。施設関係者によると、リニューアル後の平均利用者数は平日で約270人、休日には約450人に上る。大半は10~30代の若者で、担当者は「リニューアルや五輪競技になったこともあるのか盛況だ」と話す。

 ただ、こうした充実した施設は市内では限られているのが実情。無料の専用パークはほかに緑、青葉、中区にあるのみだ。

 市内でスケートボード専門店を営む横浜スケートボード協会の会長(49)は「正確な統計はないが、若者の愛好者が増えて競技への関心が高まっているのは間違いない。一方で、身近な滑走場所は十分に確保されていない」と指摘する。

 県警が昨秋以降、禁止場所での滑走の取り締まりを強化している点に関しても会長は「周辺への迷惑や法令違反はあってはならない」と理解を示しつつも「元々、ストリート文化として発展してきたスポーツ。一概に悪者扱いされてしまう状況は悲しい。滑走場所の制限は次代のスケーターの育成を阻むことにもなりかねない」と憂える。

 県警も「目的は危険な迷惑行為を防止すること。滑走が認められている場所でルールを守って楽しんでほしい」とする。

 横浜市は2026年度末に全面開園を予定している戸塚区の舞岡町公園(仮称)に専用パークを設ける方針。既存の公園への整備については「安全面や騒音への配慮から十分なスペースを確保する必要がある」と慎重に検討する姿勢を示す。

 県内では最近も、県央地区の大和市や愛川町の広場で専用施設が開設されるなどしているが、会長は「若者にとって、遠隔地に向かうのは時間的にも金銭的にも容易でない。身近な場所にいかに整備できるかが大切」とし、協会として横浜市内全18区に1カ所ずつの整備を目標に署名活動などの働きかけを強める考えだ。

 ◆県内のスケートボードを取り巻く情勢 戸部署は昨年11月~今年3月、滑走目的の立ち入りが禁止されている横浜駅周辺やみなとみらい21地区の商業施設やビルの敷地内にスケートボード目的で立ち入ったとして、軽犯罪法違反容疑(立ち入り禁止場所等侵入)で19~24歳の男性15人を書類送検した(すべて不起訴処分か審判不開始決定、不処分決定)。署によると、スケートボードに対する苦情は2019年に350件。昨秋以降、県警が取り締まりを強化したこともあり、20年は323件、今年は3月末時点で前年同期比56件減の27件となっている。