アメリカ史上最悪の事件“タルサ人種虐殺事件”から100年、事件に関する曲を収録したアルバムが発売へ

Photo Credit: Ryan Cass

モータウン・レコード(Motown Records)と傘下レーベルのブラック・フォーラム(Black Forum)は、オクラホマ州タルサと、同市にあるボブ・ディラン・センター、ウディ・ガスリー・センターと提携し、“タルサ人種虐殺事件”から100年の日に合わせてコンピレーション・アルバム『Fire In Little Africa』をリリースすることを発表した。

このアルバムは、1921年5月31日から6月1日にかけてタルサで起きた米史上最悪の虐殺事件とその事件にまつわる知られざる真実をもとに、地元オクラホマ州出身のヒップホップ・アーティストたちが制作・録音した全21曲が収録され、5月28日に発売される。

ブラック・フォーラムは、1971年にベリー・ゴーディが創設した画期的なモータウンの子レーベルであり、今年2月に再スタートさせることが発表。このアルバム『Fire in Little Africa』がレーベル復活後初のリリース作品となる。

モータウン・レコードの会長兼最高経営責任者であるエチオピア・ハブテマリアムは、今回のプロジェクトについて次のように述べている。

「アルバム“Fire in Little Africa”は、オクラホマ州タルサの才能豊かで活気のある音楽コミュニティに、表現の場所と手段を提供するパワフル且つタイムリーなプロジェクトです。ブラック・ウォール・ストリート(黒人のウォール街)のコミュニティのレガシーを受け継ぐための“Fire in Little Africa”は、その決意と幾つもの物語が詰まった作品になりました。モータウン・レコード/ブラック・フォーラムが、ドクター・ビュー、ボブ・ディラン・センター、ウディ・ガスリー・センターと提携して、この影響力のあるヒップホップ・アルバムをリリースできることを光栄に思います」

このアルバムは、昨年、タルサのグリーンウッド地区にあるグリーンウッド・カルチャー・センターなどの歴史的建造物に設営されたスタジオでで5日間にわたって録音。今作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるスティーヴィー・“ドクター・ジョン”・ジョンソンは次のように語っている。

「“Fire in Little Africa”は、ヒップホップの共同ムーヴメントへと発展しました。モータウン/ブラック・フォーラム・ファミリーの素晴らしいリーダーシップとのコラボレーションにより、ブラック・ウォール・ストリートの風情や歴史、レガシーを世界と共有できることを大変嬉しく思っています。この地にまつわる重要なストーリーを世界に発信する機会を与えてくれた、(モータウンCEOの)エチオピアの先見の明に感謝しています。ブラック・ウォール・ストリートは世界中のあちこちに存在し、“Fire in Little Africa”が多くの人々にインスピレーションを与えることは間違いありません。ステフ・サイモンの言葉を借りれば、“すべてが私たちの姿”なのです」

『Fire in Little Africa』の制作過程は、今年後半に公開予定のドキュメンタリー映画のために映像としても収められており、地元紙“タルサ・ワールド”も現場を訪れ、歴史的なセッションに参加したアーティストたちを取材している。

Written By Larisha Paul

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