iPS細胞用い、新型コロナ感染抑制の薬剤発見 京大「治療薬探索に応用」

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京都大

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いることで新型コロナウイルスの感染を抑える薬剤を見つけたと、京都大などが発表した。感染拡大を引き起こしやすい新型コロナなど、RNAを遺伝子とするウイルスの治療薬探索に応用できるという。欧州科学誌に7日掲載される。

 RNAウイルスは形態が多様で変異しやすく、新型コロナ以外にもエボラ出血熱などを引き起こす種類が知られている。感染拡大を防ぐためにも治療薬候補の速やかな開発が課題となっている。

 京大iPS細胞研究所の井上治久教授らのグループは、ヒトiPS細胞に、RNAウイルスの一種のセンダイウイルスを感染させるモデルを構築。このモデルを使い、日米でほかの病気の治療用に使われている500種類の既存薬をふりかけたところ、5種類で有効性があった。その上でiPS細胞以外の細胞による実験モデルを用い、新型コロナとエボラ出血熱のウイルスの感染を抑えることを確認した。

 井上教授らが発見した薬剤の中には、ほかの海外チームが別の手法で効果を見いだして既に治験を進めている例もあるが、日本での承認は未定。井上教授は「人での使用にはさらに検証が必要だ。今後、新たなRNAウイルスの感染症の治療薬探索にも使える」と話している。