斎藤工と中島健人が「第93回アカデミー賞」を予想。映画愛あふれる熱い対談が実現!

WOWOWプライムでは、米・ロサンゼルスで開催される世界最高峰の映画の祭典「第93回アカデミー賞授賞式」を4月26日(午前8:30)から独占生中継・配信。それに先駆けて、関連番組として4月24日に放送の「第93回アカデミー賞 直前総予想」(午後2:00)では、斎藤工と中島健人の対談が実現し、番組収録が行われた。

アカデミー賞のレッドカーペットリポーターを務めた経験のある2人。中島は主演を務める配信作品の撮影に入っていることに触れつつ、「去年、授賞式に行ってからオスカーの存在が他人事ではなくなった。配信作品への気持ちの入れ方も、“もしかしたらこの1本が世界に届くかもしれない”、その可能性を求めて自分は役者として一歩一歩、歩み始めているんだなと思えるようになった」と変化を感じている様子。

昨年の授賞式では、「アナと雪の女王2」に関連して松たか子がレッドカーペットを歩き、ステージでパフォーマンスを披露。中島はこの“偉業”を称えて「役者として、またパフォーマンスという部分でもそうですが、ドルビーシアターで何かをするっていうのが人生の大きな大きな目標だなと思います」と心躍らせる。

一方、斎藤は昨年オスカーを受賞した「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督が授賞式前のレッドカーペットでのインタビューで「(ノミネートによって)アジアの流れを止めずに済んだ」と発言したことに触れて、「まさかオスカーをとるとは思っていないポン・ジュノさんが映ってて、その数時間後にオスカーを実際にとることを知って見ると、あの映像に価値がある」としみじみ。中島が「今回、『ミナリ』も作品賞ノミネートに入っていますが、アジアの流れは今後も続くと思うか?」と斎藤に問いかけると、「数年前まではメキシコの監督たちが連続でオスカーを獲る“ラテンの風”があったけど、それがまさに去年の『パラサイト』以降、“アジアの風”が吹いてきた。明らかにかつての“ラテンの風”が“アジアの風”になっている」と分析。

そして、話題は、現時点で作品賞最有力との呼び声の高い「ノマドランド」にも及ぶ。斎藤は同作について、原作本をAmazonで購入したことを明かし(同作の主人公はAmazonの工場で季節労働者として働く)、「アメリカの高齢者の労働者の現状と僕らが気軽にタッチパネルで(Amazonからの配送を)お願いするものとの関連を含め、これは海の向こうの遠い話ではないと思った」と語り、作品を手掛けたクロエ・ジャオ監督にリモートインタビューをしたことのある中島は、「Amazonの工場のシーンについても『常にリアルを求めていて、リアルとフィクションの端境を俳優さんに歩ませた』と監督はおっしゃっていました」と伝えた。

また、作品賞候補作の中で、中島「とても面白かった」と述べたのは、最多10部門にノミネートされたNetflix配信作品「Mank/マンク」。「本当に楽しい2時間でした。映画に対するリスペクトが込められていて、興奮の1本でした」と言うと、斎藤も、現在でも未来でもなく過去を描いた作品であることなどを含めて「位置づけが難しい。ハリウッドが何を尊重するか?」としつつも、デヴィッド・フィンチャー監督は大好きな映画監督だということで「受賞はあるかもしれない」と期待を寄せた。

さらに、授賞式の演出や構成を予想する流れに。中島は「今回、コロナ禍における授賞式がどうなるのか不安もある。でもその中でアカデミー賞のプライドもきっとある。今、このコロナ禍でしか見られない授賞式になると信じています。今回、ノミネーションされているスタッフ、キャストの皆さんは、この1年で蓄積されてきた考えをスピーチで話されると思う。それを聞いたクリエーターの方々が今後どのような作品を作っていくのか? アカデミー賞が『次はこうしていこうか?』と(考えることになる)。変化の時代を目の当たりにしていると思うので、あまりネガティブに考えず、ポジティブに同じスタートラインに立って新しく一緒にアカデミー賞を作っている感じがしています。お互いのアイデア、思考を持ち寄ってボーダレスなエンターテインメント業界になっていけばいいなと思います」とコメント。

斎藤も「“海の向こうのことだから”“僕らは今まで通り”じゃなくて、世界中が新しい方向に、希望を探しに舵を切って
いる気がします。大げさじゃなく、アカデミー賞は映画業界の祭典ではあるけど、世の中がどうなっていくか?ということを示す祭典でもある。また、日本の映像業界では、“クオリティー・ファースト”作品至上主義が増えていくというのが、唯一の道筋じゃないかと思う。一部の支持をしてくれる人が楽しむエンタメもあると思うけど、それだけじゃ、世界では戦えないという“危機感”を感じられるいいチャンスになのではないか。クリエーターや若い方にこの祭典を見てもらって、気軽にそこを目指してほしい。オスカーを目指して、そこにたどり着くプランが生まれてくると思うので、そこからが始まり」と熱弁。

最後には、中島が「いつか一緒にレッドカーペットを」と斎藤にラブコールを送り、斎藤も「夢は見ないと実現しないですからね」と笑顔で応じた。

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