コシノヒロコ氏が寒い家設計した安藤忠雄氏に感謝「グレー一色の中から色や形が生まれてきた」

コシノヒロコ展の特別内覧会に登場した安藤氏とコシノ氏

世界的ファッションデザイナー〝コシノ三姉妹〟のコシノヒロコ氏(84)が7日、兵庫県立美術館で開催される「コシノヒロコ展 EX・VISION TO THE FUTURE 未来へ」(8日~6月20日)の特別内覧会に登場した。

建築家・安藤忠雄氏(79)設計の芦屋の自宅で数々の作品を生み出してきたコシノ氏は、同じく安藤氏が設計した兵庫県立美術館での個展開催を「長年の夢」と語り、5年の歳月をかけ準備。館内にはコシノ氏の代表作約250点、絵画約200点などが展示されており、「アートとファッションは一緒で、社会や人を元気にすると思っている。それを次の世代につないで素晴らしい日本を形成してほしい。今まで貯め置いたものすべてを放り出したので、たくさんの方に見ていただいて元気になってほしい」と意気込んだ。

特別内覧会には安藤氏も出席。コシノ氏の自宅にまつわるエピソードを披露した。

「『使いにくくてもいい。少々寒くていい。美しくなければいけない』と言っていただいたんですけど、ヒロコさんがテレビに出るたびに『安藤さんの家は悪くはないけど寒いわあ』という。ずいぶん営業妨害されました」と笑い飛ばすと、続けて「寒い家というハンディを乗り越えて、世界に誇れるデザイナーになっておられるのではないか」とフォローした。

安藤氏のジョークにコシノ氏は「安藤さんの建築の中でずっとクリエーションをやってきた。どこを見てもグレー一色の中から、色や形が生まれてきた。心から安藤さんの建築に感謝している。寒かったけど」とにっこり。「寒さに打ち勝つ気構えって大事なんです。何でもうまくいくと人間ってボーッとして真剣に考えない。クリエーションはハングリーの中から生まれると思うんです」と感謝した。

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