新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、神奈川県藤沢市は、個別接種の一連の流れや副反応への対応を実演した動画を制作した。個別接種を担う地域のかかりつけ医と共有し、これから始まる個別接種の手本として役立ててもらう。
動画は同市医師会の協力の下、医療現場での経験が豊富なクローバーホスピタル(同市鵠沼石上)の鈴木勇三院長と市の阿南弥生子保健所長が出演。医師役、患者役を務め、予診、接種、状況観察、副反応への対応などの様子を収めた。
小規模クリニックなどこれまでワクチン接種の実績の少ない医療機関を念頭に、国内ではあまり行われていない筋肉注射の方法と、万が一、アナフィラキシー症状が出た際の対応を重視した内容。ワクチン接種後、患者が血圧低下や失神を伴う血管迷走神経反射を起こした場合を想定し、頭部を低くして寝かせ、血流を回復させるなど具体的な措置を本番さながらに実演した。
市は個別接種を主体に曜日や地域によって集団接種を組み合わせるベストミックスを基本方針にしている。市内約240医療機関での個別接種を想定している。15日からは動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」への配信も行う予定で、これから接種を受ける市民にも理解を深めてもらう。