東海林さだお流の「大衆食堂」の楽しみ方! 文庫最新刊『大衆食堂に行こう』発売!

株式会社大和書房はだいわ文庫最新刊『大衆食堂に行こう』(東海林さだお 著)を2021年4月10日に発売。

飲食店が厳しい今だからこそ知って欲しい「大衆食堂」の楽しみ方。コロナ禍、 新しい生活様式が当たり前になりつつある今、 外出や外食が制限され、 大きなダメージを受けている飲食店。 ”食”を愛し、 食にまつわるエッセイを多数刊行している、 漫画家・エッセイストの 東海林さだお 氏もその現状に嘆いている一人である。 本書 『大衆食堂に行こう』 は厳しい飲食店にエールを送る1冊。

テイクアウトやデリバリー等、 工夫を凝らし、 柔軟に客のニーズに合わせ困難を乗り切る飲食店がある一方、 不愛想で偏屈な店主、 古びた店内、 メニューはサバの味噌煮定食などの伝統的メニューを貫いているような所謂”大衆食堂”はこの時代の局面を乗り切っていけるのだろうか…。 そんな愛すべき”大衆食堂”に足を運んでみたくなるだろう。 定食屋も、 チェーン店も。 僕らの外食屋さんに、 愛とエールを。

「午後の定食屋より」

古典的定食屋には守るべき本道がいくつかある。

1.まずドア。 これは手動でなければならない。 自動ドアの定食屋などもってのほかである。

2.テーブル。 デコラ。 ないしはビニールクロス。

3.イス。 鉄パイプ製ビニール張り。 色はグリーンないしは紺。

4.メニュー。 黒板に白墨書き。 字は下手。 達筆などもってのほか。

5.主人。 無愛想。 多少の不機嫌。 多少の偏屈。

6.妻。 同。

7.服装。 Tシャツ。 前かけ。 前かけに汚れ必要。 コック帽、 不可。

8.インテリア。 大型カレンダー。 教訓カレンダー。 カレンダーの下に天ぷら油の一斗缶が二缶積み重ねてあるが、 これはインテリアではない。 9.テレビ、 必須。 スポーツ新聞、 漫画雑誌、 必須。

10.客入店時の「いらっしゃい」などの挨拶、 不可。

11.客注文終了時の「かしこまりました」、 不可。

これらの条件をすべて遵守するのはむずかしいとは思うが、 ぜひ守ってほしいものだ。

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