【競泳】池江璃花子“奇跡の4冠”へ「あとは本当に楽しんで勝ちを取りにいくだけ」

タイムを確認しながら引き揚げる池江璃花子(代表撮影)

競泳の東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権第7日(9日、東京アクアティクスセンター)、女子50メートル自由形準決勝が行われ、白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20=ルネサンス)が、復帰後自己ベストとなる24秒87をマーク。全体1位で10日の決勝に駒を進めた。

さすがの修正能力だ。午前中の予選では25秒39で全体2位通過。しかし、冷え性の影響で「どんなに暖かい靴下や湯たんぽ使っても全然温まらなかった。それだけで50メートルは感覚が変わったりする」。そのため「準決勝はウォーミングアップを陸上トレーニングだけにした」と方向転換。「しっかり体が動いた」と手応えを得ると、出場選手で唯一24秒台を記録。同種目の派遣標準記録(24秒46)突破も視野に入ってきたものの「全く意識はしていない」と強調した。

10日の最終日は同種目の決勝と、50メートルバタフライの予選、決勝が控えている。初日からレースに出場する池江の顔には若干の疲れも見られるが「朝起きたときに体が重くても、ちょっと時間が経てば、今日も大丈夫と自分で思うようにしている。最後まで全力でいくのが今回の目標。最後まで気を抜かずに頑張りたい」と気合は十分だ。

「50メートルバタフライは少し余力を残しつつ、50メートルの自由形がラストに控えている。最後にいい形で日本選手権を締められればなと思う。感触もものすごくいいので、あとは本当に楽しんで勝ちを取りにいくだけ」

ここまで周囲の想像を超える泳ぎを披露してきた池江。奇跡の4冠達成へ、己の力を振り絞る。

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