昨季全休のプライス WS優勝リングを競売にかけて全額寄付へ

日本時間4月10日、昨季ワールドシリーズを制したドジャースの優勝リング授与セレモニーが行われ、新型コロナウイルスのパンデミックのなかで出場辞退を選択したデービッド・プライスにも優勝リングが授与された。しかし、そのリングはプライスの手元には残らない見込みだ。プライスは優勝リングをオークションに出して売却し、全額を「プレイヤーズ・アライアンス」(黒人選手が立ち上げた組織)に寄付する意向を示している。

プライスは「プレイヤーズ・アライアンス」において重要な役割を担う選手の1人である。この組織は「野球界の多様性の軌道修正」を目的として、有色人種のコミュニティにより多くのリソースを提供することを目指し、現役および過去の黒人選手が構成するもの。プライスは自身の優勝リングを売却することで得た資金をこの組織の活動に生かしたいと考えているようだ。

「プレイヤーズ・アライアンス」は設立以来、4170万ドルを黒人のコミュニティに寄付してきた。また、オフシーズンには33都市を回り、100万ドル相当の野球用具をアメリカ国内の有色人種のコミュニティに届ける活動も行った。プライスが優勝リングを売却することにより得た資金もこうした活動に使用されるとみられる。

昨季を全休したプライスは、今季はチームに復帰し、ドジャースの一員としてプレーしている。スプリング・トレーニングではダスティン・メイ、トニー・ゴンソリンの両若手右腕と開幕ローテーション入りを争ったものの、ドジャースはメイを先発5番手に起用することを決定。プライスはブルペンの一員として開幕を迎えた。プライスは以前から「フリオ・ウリアスやメイがより多くの先発登板の機会を得られるようにリリーフで投げる意思がある」といった趣旨の発言をしており、チーム第一の姿勢を見せている。

今季ここまで2試合に登板して防御率12.27、被打率.474と打ち込まれているが、長いシーズンのなかでプライスの力が必要になるときは必ずやってくるはずだ。

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