福岡県知事選の投票に行く前に知っておきたい!福岡県についての5個の数字

11日に投開票日を迎える福岡県知事選挙では、候補者による熱戦が続いています

新型コロナウィルス対策などを通じて、県政に興味を持たれた方もいるのではないでしょうか。

若者世代の投票参加を後押しすべく、福岡県政において若者とかかわりのある5個の数字をご紹介します。

「512万人」→福岡県の人口。県民の10人に1人は県外で活動している

福岡県の人口は約512万人(令和3年2月)となっており、長期的な推計では最も人口が多い時期にあたるとされています。

2020年4月と2021年2月の人口を比べてみると8千人ほど人口が減っているように、今後、福岡県の人口は緩やかに減少していくことが見込まれています。また、県全体では人口の減少が始まる一方で、福岡市では人口が2019年から2020年にかけて1.3万人ほど増加しているように同じ県内でも地域によって状況は異なっています。(住民基本台帳人口)

地域ごとの違いを踏まえて、県として目指していく方向性、実現すべき取り組みにはどのようなものがあるでしょうか。

「833人」→保育所待機児童数。25歳~44歳の女性就業率は全国43番目

働き手世代とされる15歳~64歳の県民は2020年の段階で298万人ほどですが、2040年には256万人と15%近い減少が見込まれています。今後働き手不足などの問題が顕在化することが想定されるなかで注目されるのが女性の活躍です。

男女共同参画白書(平成29年版)によると、福岡県の15歳から64歳女性の就業率は63.7%(2015年)と全国で10番目に低い水準となっており、25歳から44歳女性の就業率に限ってみると71.5%(2015年)と全国で12番目に低い水準となります。

一方で、管理職(会社役員、管理的公務員等)に占める女性の割合は18.6%、全国で高い方から数えて6番目に位置している等、女性の方が活躍していることを示す指標もあります。(内閣府「都道府県別全国女性の参画マップ」)

今後、女性の方もますます活躍できる環境を社会が作っていく際に課題となるのが子育て支援です。

2020年4月における県内の保育所待機児童は前年度から43人減少し、1,189人となっています。なお、小川前福岡県知事が就任した2011年の保育所待機児童数は1,063人でした。

また、保育所待機児童の多くが小学校進学後に利用することになる放課後児童クラブ(学童保育)の待機児童は2020年7月1日時点で298人が報告されています。

少子高齢化、働き手世代の減少といった未来が見込まれる中で、子育て世代の女性もより一層活躍することのできる社会を実現するためにはどのような取組みが必要となるでしょうか。

「9千人」→2025年に見込まれる介護人材の不足数

高齢者とされる65歳以上の方の割合は、17.35%(2000年)から28.37%(2020年)と2000年代に入ってから急速に高まり、県民の4人に1人が高齢者の方となっています。

少子高齢化が進むなか、お年を召された方も活躍できる社会づくりが求められる一方で、深刻な問題となる可能性があるのが「介護」です

厚生労働省の調査によると、2016年度に福岡県内には7.8万人の介護職員の方がいましたが、2020年には8.3万人、2025年には9.5万人の介護職員の需要が見込まれています。

介護職員の増員は進められていく見込みですが、2025年に見込まれている職員数は8.6万人と9千人程度の不足が予想されています。

なお、高齢者の方の増加ペースは今後緩やかになっていきますが、75歳以上の方が占める割合が急速に高まっていきます。2015年には75歳以上の方は県民の12.5%ほどですが、2030年18.9%と10年後には県民のおよそ5人に1人の方が75歳以上となります。

今後、全国各地で介護人材の需要が高まる中、福岡県ではどのようにして安心して老後を過ごせる環境作りやその担い手育成が進められていくことになるのでしょうか。

「302.6人」→人口10万にあたりの医師数は全国8位の水準。

NHK等の報道によると、福岡県内の新型コロナ対応ベッドの使用状況は減少傾向にあり、2月初旬に89%まで上昇していたものが31%(3月24日時点)となっています。これは昨年12月初旬の頃の水準25%(12月9日)に迫るものとなっています。

福岡県における人口10万人当たりの医療施設に従事する医師数は2018年302.6人と全国でも8番目に高い水準でした。それにもかかわらず、新型コロナ対応ベッドの使用割合は23%(12月2日)→65%(1月6日)→89%(2月3日)と急速な高まりをみせました。

この間、12月2日には551床であった新型コロナ対応病床数は2月3日に691床、3月24日時点で770床と増加されています。

結果として2回目の緊急事態宣言を首都圏に先駆けて解除することができた一方で、新型コロナ以外に対応する病床が減少している可能性を示しています。

新型コロナウィルス感染症への対策はこれからも求められる一方で、県内の医療体制への影響も懸念されています。

これから先、様々な事態を想定して医療崩壊を防いでいくために福岡県で取り組むべき政策はどのようなものなのか、各候補の取り組みが注目されます。

「42.71%」→前回知事選挙(2019年)の投票率

福岡県知事選挙の有権者数は約424万人です。

福岡県を100人の村に置き換えてみると、村人の内83人が投票権を持っていることになります。前回、知事選挙の投票率は42.71%でしたので、今回も同じ投票率だと仮定すると知事選挙で投票する村人は35人になります。

なお、若者の投票参加状況に限ってみると、18歳選挙権のもとで行われた最初の国政選挙(2016年参院選)での推定投票率18歳55.90%、19歳45.37%は、3年後(2019年参院選)に18歳37.26%、19歳31.60%と低下しています。また県内で最初の18歳有権者として投票した人たちの推定投票率は2016年(18歳)55.90%→2019年(21歳)27.09%と低下しており、割合だけで考えると、2016年に投票した人の2人に1人は3年後に投票していないことになります。

福岡県では新型コロナウィルスに対応するための生活様式の変化に加えて、これまで増加傾向にあった人口が減少傾向に転じようとする大きな節目を迎えています。

そのような転換期において、今後、他のどの世代の方よりも長く福岡県とかかわりを持つことになる若者世代が、ポストコロナの時代も見据えて福岡県の未来を「自分ごと」として考え、納得のいく1票を投じていくことが期待されます。

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