南本牧ふ頭 本格運用 コンテナターミナル 国内で最も深く

国内で最も深い水深を誇る南本牧ふ頭のMC3~4岸壁=横浜市中区

 国内で最も深い水深を誇る岸壁を備えた横浜港の南本牧ふ頭(横浜市中区)のコンテナターミナルが今月から本格運用を始めた。世界最大級のコンテナ船の接岸が可能で、コンテナ搬出入には情報通信技術を取り入れた国内初のシステムを導入。大型化する船舶や増加する貨物に効率良く対応することで横浜港の国際競争力向上を目指す。

 南本牧ふ頭は四つの岸壁を備え、総延長1.6キロで最大水深は18メートル。2001年にMC1、2岸壁、15年にMC3岸壁が供用開始され、昨年8月にMC4岸壁の暫定供用が始まっていた。今月までに中央管理棟などが完成したことで施設全体を一体運用できるようになり、効率的な船舶受け入れや荷役が可能になった。

 近年、大量のコンテナを一度に運ぶために船舶の大型化が進み、世界最大級のコンテナ船を接岸させるために必要な水深は18メートル。世界各国の主要港湾がふ頭の整備を進めており、高規格のターミナル整備で日本に寄港する船舶を増加させる狙いがある。

 また、コンテナを陸上輸送するトレーラーがターミナル前で混雑しないよう、国内初の新システム「CONPAS(コンパス)」の本格運用を始めた。搬出入時間の予約機能を備え、ターミナル入り口で運転手が貨物や車両情報を機器に入力せずカードをかざすことで入場手続きができるようになった。

 南本牧ふ頭を管理・運営するターミナル事業会社「APMターミナルズジャパン」の熊桜社長は「日本一のターミナルを円滑に運営することで、横浜港のさらなる繁栄に寄与したい」と話している。

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