12球団ワーストの15許盗塁 DeNAの最下位低迷は“走られまくり”にも一因

DeNA・阪口皓亮(左)と池谷蒼大【写真:小谷真弥】

若い阪口、池谷ばかりか開幕投手の浜口までもが…

■阪神 3-2 DeNA(11日・横浜)

セ・リーグ最下位に低迷するDeNAは、9日から本拠地・横浜スタジアムで戦った阪神との3連戦で3タテを食らった。これで今季は3勝10敗2分の借金7。首位・阪神との差は早くも7ゲームに開いた。

コロナ禍で外国人選手の来日が遅れ、現時点で1人も試合に出場していない。それ以外にも投手陣に故障者が続出するなど、不振の原因はいくつかあるが、「不注意」と言われても仕方がない部分もある。DeNAバッテリーはこの3連戦で、阪神に走りたい放題走られたのだ。

11日の第3戦では、先発投手の阪口皓亮投手が初回に先頭の近本、続く糸原に連打され、いきなり無死一、二塁のピンチに。続くマルテはカウント3-2から内角低めの149キロの速球で見送り三振に仕留めたが、この投球で近本と糸原にダブルスチールを決められ、1死二、三塁とされた。ここで大山の遊ゴロを捕った大和が一塁へ悪送球し、いきなり2点を先行された。

阪口は4年目、21歳の右腕だが、前回登板の4日の広島戦でプロ初勝利を挙げたばかり。1軍登板は通算8試合目とキャリアが浅く、三浦大輔監督は「余裕がなくて周りが見えていなかった」と反省を求めた。試合は最終的に惜敗だっただけに、悔やまれるプレーとなった。

前日の10日の第2戦も然り。1点ビハインドの9回、3番手として登板した平田真吾投手が先頭のマルテを四球で歩かせ、続く4番・大山の4球目に代走・熊谷に二盗を許した。大山は見送り三振に仕留めたものの、5番・サンズに痛恨の2ランを被弾した。

三浦監督も嘆く「できることを丁寧にやっていくように、再確認しないと」

さらに、佐藤輝に中前打を浴びたところで、ドラフト5位ルーキーの池谷蒼大投手がマウンドへ。すると、間髪入れず、続く梅野の初球に佐藤輝に二盗を許してしまう。完全にモーションを盗まれ、捕手の戸柱恭孝が送球を諦めたほどだった。

池谷はさらに1死一、三塁で打者・中野の2球目、その後の1死一、三塁でも打者・原口の2球目に、一塁走者に二盗を許した。池谷だけで3つ、平田を含めると1イニングに4つも盗塁を許したのである。

池谷は変則的なフォームの左腕で、今季5試合目の登板。三浦監督は「(走られた理由は)クイック(モーションが苦手なこと)だと思う」と認め「試合で解消していかないといけない」と語った。代わりっぱなからこれだけ走られたということは、対戦前からクセなどを研究されていたのだろう。

阪口や池谷のような若手だけではない。三浦監督が「浜口もフォームを盗まれていた」と嘆いた通り、9日の第1戦の初回にも開幕投手を務めた左腕が、1死二塁から近本に三盗を許し、直後にマルテに先制適時二塁打を浴びている。三浦監督は「バッターに集中するのはもちろん大事だが、走者にも気を配らないと。できることを丁寧にやっていくように、再確認しないといけない」と振り返った。

盗塁阻止はバッテリーの共同作業であり、守っている野手全員で注意を払うべきもの。さらに言えば、首脳陣が指導、徹底すべき問題とも言える。ここまでDeNAは12球団ワーストの15許盗塁。三浦監督が言う通り、苦しい時こそ「できることを丁寧に」を励行することが大事なのだろう。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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