【マスターズ】松山が袖を通した「グリーンジャケット」所有の厳格ルールとは?

D・ジョンソンにグリーンジャケットを着せてもらった松山。実はまだ借り物です(ロイター)

11日(日本時間12日)に終了した「マスターズ」(ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC)では松山英樹(29=LEXUS)が日本人初のメジャー制覇を達成したした。歓喜の中でグリーンジャケットに袖を通したシーンは印象的だったが、どんなものなのだろうか。

グリーンジャケットは、開催コースであるオーガスタナショナルGCのメンバーと「マスターズ」の優勝者のみが着ることを許される。松山は表彰式で前年覇者のダスティン・ジョンソン(36=米国)に着せてもらった。このジャケットができた理由は「マスターズ」に来たパトロン(観客)が何かわからないことがあった時など「ここにメンバーがいるから聞けばわかる」という、いわば〝目印〟のためだ。

もうひとつは、通常のプレーの際は、連れてきたビジターの分を含むすべての費用がメンバーに請求されるシステム(海外の名門コースに多い)なので、レストランのウエイターが誰に対してチェック(勘定)を渡せばいいのかをスムーズに判別できるようにとの目的もある。

ちなみにメンバーが着用するようになったのは、1937年の第4回大会から。現在のように「マスターズ」優勝者が表彰式で着るようになったのは、故サム・スニードが優勝した1949年大会から。表彰式ではメンバーが所有するものから、選手のサイズに近いモノを借用し、その後正式に採寸されて自分だけの一着が完成する。

このグリーンジャケットは、メンバーも歴代優勝者もコースからの持ち出しは禁止。ただし「マスターズ」優勝から1年間だけは外部に持ち出すことができる決まりとなっている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社