韓国の財産税負担率はOECD平均より高い...所得税負担は低い水準

韓国の財産税(固定資産税)負担率が、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の1.7倍に達することが分かった。所得税負担率は65%水準にとどまった。

租税財政研究院(KIPF)が提示した「一般政府財政統計分析4月号」によると、2019年度基準の韓国の租税負担率は20.1%を記録した。

同じ時点でOECD 37カ国の平均租税負担率24.9%で、韓国より4.8%ポイント高かった。

租税負担率とは、政府の税収を国内総生産(GDP)で割った比率である。韓国はOECD加盟国のうち、経済規模に比べて税金をより少なくとる国家ということになる。

(画像:一般政府財政統計分析4月号キャプション/韓国租税財政研究院)

ただし、韓国の租税負担率は徐々に引き上がっている。

OECD加盟国の租税負担率は2014年24.4%を記録した後、2016年25.0%まで上昇したが、2017年24.8%、2018年と2019年に24.9%を記録するなど、ほぼ横ばいとなっている。

一方で、韓国の租税負担率は2014年が17.3%だったが、徐々に引きあがり、2018年および2019年にはいずれも20.1%を記録するなど、OECD諸国よりも負担率の上昇傾向が高い。

また、韓国の財産課税はOECD平均よりも高い水準にあることが分かった。

韓国の財産課税がGDPに占める割合は3.3%で、OECD平均の1.9%の1.7倍に達する。

財産課税には、財産税(固定資産税)、自動車税、相続・贈与税、証券取引税、総合不動産税などが含まれる。

韓国の法人税収が占める割合も3.8%で、OECD平均の3.0%に比べて高い。

一方、韓国の個人所得税収がGDPに占める割合は5.4%で、OECD平均の8.3%に満たなかった。

付加価値税の税収が占める割合も4.6%で、OECD平均の7.0%よりも低い。

これらを総合すると、韓国の税制をOECD諸国と比べたとき、韓国の税制は財産への課税をより強く行うのに比べて、所得についてはより少なく徴収していることがわかる。

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