自宅で樽生ビール飲めると話題 埼玉・上尾のベンチャー企業、ペットボトルで発売 デリバリー業界に新風

生ビールの宅配、ペットボトル生ビールなど次々と新しい企画を生み出すグリーンエージェントの神田代表=上尾市市場ジャンマルシェ内マーベリックス ビアステーション

 昨年12月、ペットボトルの生ビールを発売した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、店舗での飲食が制限される中、自宅で樽生ビールが飲めると話題を呼び、発売から10日間で2500本を完売した。企画、販売したのは埼玉県上尾市のグリーンエージェント。ベンチャーならではの柔軟な発想と知恵を駆使して、デリバリー業界に新風を巻き起こしている。

 ペットボトルの生ビールがなぜ実現できたのか。そこには独自の工夫がある。

 ロシアのベンチャー企業が開発した充てん機を輸入。充填する際にペットボトル内を真空にし炭酸ガスを注入してからビールを注ぐ仕組みで、酸化による風味の劣化を防ぐ。専用のペットボトルも酸素を透過させない特殊なコーティングを施しているため、2週間は鮮度を保つという。中の生ビールはドイツから直輸入している。

 同社は昨年8月、デリバリーを中心としたレストラン「マーベリックス ビアステーション」を開いた。提供しているのは数種類のドイツの生ビールと産地直送の肉や海鮮、野菜などの料理。スタッフが近隣に4万5千部のチラシを配布。それを見た人たちが次々と訪れた。「デリバリーをしてもらうために、まずは店で食べておいしいと思ってもらいたかった」と話す神田喜暢代表取締役(43)。

 神田さんは宇都宮市出身。米サンフランシスコ大学院から外資系コンサル、ソフトバンクグループを経て2008年に起業。ポータブルバッテリー、エコハンガー、LEDキャンドルといった家電雑貨の輸出入、卸業で会社を成長させてきた。

 15年からドイツビール「エルディンガー」の輸入を始め、翌年には樽生の卸しも開始した。そして「輸入しているビールをもっと愛情を持って提供したい」と自社店舗とデリバリー展開に踏み切った。

 神田さんは言う。「このビジネスモデルを全国に広げたい。ベンチャーは知恵を絞って何かを見つけなくては」

■神田喜暢代表取締役の話

 今までの産業が作り上げたものが正しいわけではないと思う。できない理由を議論するのではなく、できる方法を常に考えたい。

■所在地

上尾市西門前288の1

電話048.884.8013

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