【聞かせて】 No.705「阿部 睿子さん・令和2年度山口市美展大賞」

 令和2年度山口市美術展覧会に出展した日本画「春はひそやかに・・・」が、136点の応募作品の中から大賞に選ばれた。受賞作品は、春先に落ち葉の中から顔をのぞかせるフデリンドウをモチーフに「木戸神社から兄弟山へ行く途中の林で見た小さくて可憐な青い花に心をひかれ、感じたままを描いてみた」のだという。

 ボタニカルアートやトールペイント、書道なども趣味としてたしなみ、日本画は知人に誘われて7、8年前に始めた。「岩絵の具ににかわを入れる加減など、技術的には未熟で思い通りにいかないことが多く」と顧みながらも、2018年には、山口県美展に初出展で初受賞を果たした。

 今後は、「描きためたスケッチをもとに、日本画やトールペイントの素材に生かし、楽しみながら作品制作を続けたい」と笑顔を見せる。

【プロフィル】1944年京都府生まれ福岡県育ち、山口市吉敷在住の77歳。九州大理学部から同大大学院修士・博士課程へ進学。同大歯学部で5、6年助教を勤め、来山した。吉敷地域交流センターを利用してトールペイントの講師も勤めている。

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