【えほんのとびら】 No.216「ふたりはともだち」 

文化出版局
作:アーノルド・ローベル
訳:三木 卓

 四月、すきとおったあたたかいひかりが野山にふりそそぎはじめたある日、長い冬眠から目覚めたかえるくんは、なかよしのがまくんを起こしに出かけました。「おきなよ、はるが きたんだよ!」

 でも寝ぼすけのがまくんは「でたらめ いってらあ」と答え、五月になったらもう一度起こしにきてくれと言ったなり、ふとんにもぐりこんでしまいました。

 どうにかしてがまくんを起こし一緒に外をはねまわりたいと思ったかえるくんは、がまくんの部屋にかけてあるカレンダーを見て、いいことを思いつきました。その思いつきとは?

 この本には「はるが きた」というタイトルのこのおはなしの他に、病気のかえるくんのためにがまくんが一生懸命おはなしを考えてあげる「おはなし」や、がまくんのなくしたボタンが意外なところで見つかる「なくした ボタン」など、ふたりのなかよしぶりをユーモアたっぷり伝えるおはなしが全部で五話入っています。

 『ふたりはいっしょ』などの続篇もあるので、あわせて読んでみてください。

( ぶどうの木代表 中村 佳恵 )

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