大村ボート売り上げ日本一 過去最高1591億円 「巣ごもり需要」影響

大村ボートの売り上げ・経常利益の推移

 大村ボートレース場(長崎県大村市玖島1丁目)で2020年度に開催されたレースの売上額が過去最高の1591億円で、全国24レース場の中で最高だった。19、20年の暦年では2年連続日本一だったが、レース開催数など全国で条件がそろう年度別で1位となるのは初めて。新型コロナウイルス禍による「巣ごもり需要」も売り上げを押し上げた。
 市競艇企業局が14日発表した。同局によると、20年度のボートレース全体の売り上げは2兆951億円で前年度比で約36%増えた。大村は約50%増。2位の丸亀(香川県)より約200億円多かった。売り上げのうち電話・インターネット投票が1300億円で8割超を占め、前年度比約77%増。「巣ごもり需要」の高まりをうかがわせた。
 同局は、他場に先駆けて電話・インターネット投票の環境整備に取り組んできたことなどが日本一達成の要因と分析。18年のナイターレース開始や、全24場の中でも最多の県内外15カ所に場外舟券発売場を開設していることも売り上げ拡大につながったとみている。

2018年に始まったナイターレース=18年9月23日、大村ボートレース場

 大村ボートは1952年開設。全国で初めてレースを開催した「ボートレース発祥の地」として知られる。99年度には売り上げが低迷し赤字に転落したが、経費のスリム化などを進め2005年度に黒字を回復。コースの構造などから「イン(コース)が強い大村」として客が予想しやすいことも売りにし、徐々に売り上げを伸ばした。
 経営改善に伴い、公営競技本来の目的である市財政への繰り入れも増加している。現在までの繰入総額は約700億円に上るが、うち100億円余りは直近3年間。収益金は市立小中学校のエアコン設置や給食センター整備などに使われたほか、昨年度は大雨被害の復旧や新型コロナ対策にも活用された。
 来年4月に開設70周年の節目を迎える大村ボート。馬場宏幸局長は「ポストコロナを見据え、インバウンドの取り込みも考えていきたい。今後も市財政への寄与はもちろん、地域や社会への貢献活動にもしっかり取り組む」と述べた。


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