【フィギュア国別対抗戦】羽生結弦 SP2位「成長しているなって思えています」

男子SPで演技をする羽生結弦(代表撮影)

フィギュアスケートの世界国別対抗戦(丸善インテックアリーナ大阪)の男子ショートプログラム(SP)が15日に行われ、五輪2連覇の羽生結弦(26=ANA)は107・12点をマークして2位発進となった。109・65点で首位に立ったライバルのネーサン・チェン(21=米国)には惜しくも及ばなかった。

今季最終戦に臨んだ王者は割れんばかりの歓声に包まれてリンク中央に立った。腕を組み、微笑を浮かべ、軽快なロックナンバーに合せて動き出した。冒頭の4回転サルコー、4回転―3回転の連続トーループは完璧に着氷し、加点も引き出した。会場に詰め掛けたファンによる大きな手拍子が鳴りやまない。後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)はやや体勢が崩れたが何とかこらえ、スピンとステップはレベル4。フィニッシュすると、笑みを浮かべてピースサインで声援に応えた。

試合後、羽生は直前の演技でミスして9位となった宇野昌磨(23=トヨタ自動車)について「彼はミスっちゃいましたけど、彼の力とか魂とか、そういうものを受け取りながら頑張れたと思います」とまずは思いやった。

自身の演技に関しては「自分はやれることをやったと思って、あまり順位とかは気にしてないですけど、自分のこととしては、やはり前半のサルコーとトーループジャンプを初めてこのプログラムで試合で綺麗に決めることができたので、成長してるなって思えています」と話した。

16日のフリーに向けて、羽生は「やはり世界選手権の悔しさみたいなものは少なからずあって、リベンジしたいっていう気持ちが少なからずある」と本音をのぞかせつつ「その気持ちも認めて、それプラスアルファ、今日の演技のように自分が成長したなと思えるような演技をできるように、しっかり自分に集中したいと思います」と決意を口にした。

最後はいつものように「ありがとうございます。またよろしくお願いします」とほほえんだ。激動の今シーズン、最後の演技となるフリー「天と地と」では羽生らしく、羽生にしかできない表現で締めくくる。

© 株式会社東京スポーツ新聞社