公道も走行可能 遊び心満載ゴーカート 板倉区の野口さん製作 より性能アップへ

 板倉区針在住の野口富雄さん(65)がこのほど、手作りのゴーカートを完成させた。3月にはナンバーを取得し、公道走行も可能に。今後は各種イベントへの出展や、さらに長距離を走れるカート製作も目指している。

 今回製作したゴーカートは1人乗り用で、排気量は50㏄、3~4馬力でエンジンは一つ、最高速度は時速35キロ程度。海外向けの草刈り機のエンジンやシニアカーの部品、その他バイクのパーツなどを使用し、昨年12月から今年2月中旬までかけて自宅で製作した。レバー一つで前進、後進を切り替えるクラッチ機構も組み込んだ。

今回完成したゴーカートと野口さん。今後は長距離を走られるカートも製作したいという

 大手電機メーカーに長年勤め、現在はタクシー会社で整備管理者の野口さん。趣味のトライアルバイクを35年にわたって続けてきたが、近年は膝の痛みもあって、発動機の整備、収集にも比重を置くようになった。最近は、発動機で何かを作りたいと思うようになり、2年前に「カナミツ号」を製作。孫を乗せた台車を引いて動かし、人気を得た。

 上越市内の発動機イベントにも出展を予定していたが、新型コロナの影響で中止に。その後、コロナ禍の後を見越して、これまでの経験を生かした公道でも走られるものを作ろうと、今回のゴーカート製作に打ち込んだ。「製作は毎日夕食後から寝るまで、機構の構想は寝ながらやった」と野口さんは振り返った。

 作る楽しさについて野口さんは「完成を想像して、思い通りに動いてくれた時のうれしさや、孫たちを楽しませたい思い。製作の経験は仕事への積み重ねにもなる」と語った。今後については「長距離向けのお出掛けができるような手作りカーを目指したい」と笑顔で前を見据えた。

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