草彅剛&吉田羊共演、震災被災者の心情を描いたドラマ「ペペロンチーノ」が全国放送

草彅剛と吉田羊が共演した、NHK仙台放送局が制作した宮城発地域ドラマ「ペペロンチーノ」が、4月17日(午後5:00)にNHK総合で全国放送されることが決まった。

ドラマは、震災から10年が経過する今年、時間と共に一体何が変わったのか、ドラマという形で、揺れ動いてきた被災者の心のリアリティーを見つめたいという思いから、同局が制作。苦難があっても前向きに人生を送れるかもしれない。そんな思いになれる極上の群像劇だ。3月6日にNHK BSプレミアムとBS4Kで放送されたが、視聴者から多くの反響の声が寄せられたことから、全国放送されることとなった。

営んでいたイタリアンレストランを津波で失い、失意の中、アルコールに溺れたオーナーシェフの小野寺潔は、その後、新しく店を建て直し、震災から10年の3月11日に友人を招き、ある宴席を企画する。突然の招待に戸惑う友⼈たちに、潔はその意図を語り始める。そして、宴会が進む中、発災から10年間のそれぞれの秘めた物語が浮かび上がってくる。オーナーシェフの小野寺を草彅、その妻・小野寺灯里を吉田が演じるほか、國村隼、矢田亜希子、富田望生、一色洋平、齊藤夢愛、蒼波純らが出演する。

草彅は「被災した人物を演じることは、すごく難しかったです。プレッシャーもありました。僕自身は実際に被害にあっていないですし、当時は東京にいたので、実際被害にあった方とは計り知れない違いがあると思います。役として実際に被害にあったことをどうやって埋めようかなと。今でも心に傷を負って治っていない方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、心の役に立てるようなキャラクターがたくさん出てきます。それぞれの役者さんが本当に真心を込めて演じているので、伝わるかなと思っています」と難しい役柄と向き合いながら、共演者と一体となって作品に臨んだことを明かす。

そして「クランクアップした時、最後のあいさつでちょっと涙が出てきて、ドラマの撮影が終わった時に泣いたのは何年ぶりかなと。羊さんもあいさつされている時、ちょっとホロッとされいて何かお互いの夫婦間がもうすごい出来上がったんだなと思って、感無量というか。これが本当に視聴者の方にきちんと伝わればいいなと思います」とメッセージを寄せる。

吉田は「ようやく皆さまの思いを取り次ぐお役目をいただけたなと、感謝する気持ちです。俳優は、ミュージシャンやお笑い芸人さんと違って、パッと行って人を笑顔にしたり、癒やしたり、笑わせたりすることができる職業ではない、1人では何もできなくて。この10年間も決して胸を張って被災地支援をやってきたとは言えるものではなかったので、今回、俳優として必要としていただいて、今、持てる限りを注ぎ込んで、しっかりと務め上げたいなという気持ちでした」と作品に臨んだ心境を告白。

さらに「草彅さんが演じた潔さんと、私の演じた灯里さんは、おしどり夫婦。潔さんが温かいまなざしで灯里さんを見てくださると本当にいとおしくて、胸がキュッとなって幸せな気持ちになりました。灯里さんは、きっと、皆さんにとっての大切な誰かの象徴であると私は思っていて、今回、意識して笑顔の灯里さんを演じるようにしました」役作りについて語った。

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