麻生太郎財務相(80)は16日の会見で、東京電力福島第1原発の処理水に関する自身の発言をめぐり、中国側の不快感に真っ向から反論してみせた。
政府は100万トン以上の処理水を約2年後をめどに海洋放出する。福島第一原発で増え続ける汚染水は処理後にタンクで保管。しかし来年末には満杯になると予想されている。
麻生氏は処理水について「あの水を飲んでも何ということはない」と発言。これを受け、中国外務省の副報道局長は「飲んでから言っていただきたい」と返した。
これに麻生氏がさらに反撃。「中国の報道官って人でしたっけね、『太平洋は日本の下水道ではない』って、中国の下水道なの? みんなの海じゃないのかねと思うね」と皮肉ったかと思えば「世界保健機関(WHO)基準の7分の1まで(放射性物質トリチウムの濃度を)希釈してある。飲める。普通の話」とド正論をぶち込んだ。
麻生氏と並ぶ自民党の二階俊博幹事(82)は15日に「五輪中止も選択肢」とブッ放し騒然とさせた。まるで競り合うかのように発言がクローズアップされているが、一連の“麻生節”については評価する声も多い。
「中国も原発処理水を海洋放出している。内政干渉に対し、『言うことは言う』という麻生氏の政治姿勢は我々の想いを代弁してくれました。さすがです」(自民党議員)
ネット民からも「実際に飲めんでくれたらもっといい。ファンになります」「(中国に)言われっぱなしは良くない」などと支持する書き込みが寄せられている。