神奈川・愛川の古民家彩る「つるし飾り」 座敷には五月人形も展示

古民家山十邸を彩る「つるし飾り」=愛川町中津

 神奈川県愛川町中津の国登録有形文化財・古民家山十邸で「五月人形とつるし飾り」の展示が行われている。重厚な古民家の座敷に、干支(えと)などをかたどった数々のつるし飾りが下げられ、日本的な情緒のある美しさを醸し出している。町教育委員会主催で5月5日まで。観覧無料。

 古民家山十邸は、明治期に同地区の豪農熊坂半兵衛の居宅として建てられた。入り母屋造りの主屋(おもや)はケヤキ材が使われ、大黒柱は50センチ角の太さがある。

 つるし飾りは畳敷きの和室に天井からつるされ、牛、猿、虎といった干支や、端午の節句にちなんだかぶとや弓矢などがある。赤みを帯びた照明を浴びると、数百点ものつるし飾りがあでやかな美しさを見せ、町民が町に寄贈した五月人形も座敷に飾られている。

 つるし飾りは、元手芸サークル会員の主婦らが手作りしたもので、代表の佐藤のり子さん(73)によると、一つ作るのに1週間かかる飾りもあるという。

 町では「古民家とマッチした雰囲気を味わってほしい」と来場を呼び掛けている。午前9時~午後4時50分。5月4日を除く火曜日と4月30日が休み。

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