金時山山頂「金太郎茶屋」にライブカメラ 神奈川・南足柄市が配信開始

金時山の山頂に設置されたライブカメラの配信画面=12日午前7時ごろ(南足柄市提供)

 新型コロナウイルスの影響などで低迷する観光客の誘客を図ろうと、神奈川県南足柄市は金時山(標高1212メートル)の山頂にライブカメラを設置し、今月からリアルタイム配信を始めた。

 ライブカメラは金時山山頂の「金太郎茶屋」に設置され、市ホームページや、道の駅「足柄・金太郎のふるさと」の食堂内で閲覧できる。天気の良い日には北西にそびえる富士山を麓から山頂まで一望できる。5月10、11日ごろと8月1、2日ごろには、これまで登山者のみが見ることができた「ダイヤモンド富士」も楽しめる。

 市によると、金時山は富士箱根伊豆国立公園内であることなどから山頂に電力網がないが、微生物の働きを利用した同所の「バイオマス公衆トイレ」を稼働させるための自家発電設備を活用し、ライブカメラを稼働させている。山岳地で使われる太陽光発電に比べ発電量が大きく、常時配信が可能になるほか、天候に左右されない利点がある。

 市によると、2019年度の金時山の登山客数は9万9500人。同年10月の台風19号の被害で足柄峠方面から山頂に続く登山道の通行止めが続いていることや、新型コロナによる外出自粛の影響で、登山客数は減少傾向にあるとみられる。市担当者は「ライブカメラを通じ登山客の安全性向上や、金時山の魅力発信につなげたい」と話している。

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