【今週のもう一枚】広島で受け継がれる「パンチパーマの系譜」

広島のパンチ三人衆(左)と矢野雅哉

昭和のプロ野球選手のヘアスタイルといえばパンチパーマ、アイパーが定番だった。特に広島はその比率が高かった印象がある。写真は左から山本浩二、高橋慶彦、江夏豊。このヘアスタイルなら、台風並みの強風にもビクともしないだろう。

撮られたのは1979年12月。この年、山本は打点王、高橋は盗塁王、江夏は最優秀救援投手賞とMVPに輝き、それぞれ2度目のリーグ優勝に大きく貢献した。日本シリーズも初めて制し、第7戦の「江夏の21球」は球史に残る名シーン。高橋は全7試合で安打を放つ活躍でシリーズMVPに選ばれた。

高橋が比較的ソフトに感じられるほど、山本と江夏が与えるインパクトが強すぎる。こんな3人が前から歩いてきたら、とりあえず謝ってしまいそうだ。

最近の広島では、名手・菊池涼介がパンチパーマで有名。さらに開幕一軍を勝ち取ったドラフト6位ルーキー・矢野雅哉が、キャンプ終了後に見事なパンチパーマ姿を披露してナインを爆笑させた。令和の時代になっても伝統はしっかりと受け継がれている。(敬称略)

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