熱血指導で評判! 水陸機動団隊員・安永さん「活気のある道場に」 佐世保・相浦武道会剣道部

指導に熱が入る安永さん(左)=佐世保市川下町

 陸上自衛隊水陸機動団(本部・佐世保市大潟町)の隊員で、同市の相浦武道会剣道部の子どもたちに剣道を熱血指導する人がいる。第1水陸機動連隊の2等陸尉、安永誠さん(39)。安永さんは「佐世保一、活気のある道場にしたい」と張り切っている。
 「もっと声出して!」。同剣道部の小中学生が日々練習に汗を流す同市川下町の相浦地区公民館。安永さんが部員たちに気合を入れるよう伝えると、会場の熱気が増した。
 安永さんは福岡県出身。剣道場を営んでいた父親の影響で小学1年の時に初めて竹刀を握った。腕を磨くため、強豪道場の福岡十生館に入門。千葉県の国際武道大を卒業後、2004年に陸自に入隊した。12年に佐世保に転勤し機動団の母体となった西部方面普通科連隊(当時)に所属。訓練と並行して稽古を重ね、錬士六段を取得した。
 18年3月に機動団が発足。同年4月に相浦武道会剣道部の指導者、松瀬弘喜さん(36)から指導の依頼を受けた。「機動団は謎が多いと言われる。地域とコミュニケーションを取れるチャンスだ」と考え、二つ返事で承諾した。
 指導は「自衛隊式」。返事や整列、集合など礼儀作法を特に大事にしている。厳しくも熱のこもった稽古が地域で評判となり、当初15人ほどだった部員は約40人に増えた。
 小学1年生から剣道を始めた市立相浦中1年の丸田真鈴さん(13)は、安永さんの指導により大会で上位入賞するほど上達。「怖いときもあるけれど、的確に教えてくれる。初めてメダルをもらって、本当にうれしかった」と振り返る。
 今では機動団や海上自衛隊の剣道経験者も指導に訪れる同剣道部。自衛官を志す子どもも出てきた。安永さんは「今後も仕事だけではなく、剣道で地域に貢献したい」と話した。同剣道部は部員を募集中。問い合わせは松瀬さん(電090.7028.2795)。

相浦武道会剣道部の生徒ら=佐世保市川下町

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