準大手ゼネコンの西松建設（株）（TSR企業コード:291137741、東京都港区、東証1部）は4月19日、都内の完成済のマンションの内装工事に施工不備が判明したと発表した。品質管理上の確認業務が不十分だった。早期に補修工事を行う予定で、2021年3月期（連結）決算において完成工事補修引当金繰入額90億円を計上する。
西松建設によると、2019年3月に完成した都内のマンションの施工不備は、構造体に関わるものではなく、内装工事の施工不備が判明したという。これまで西松建設は施工不備に関して公表していなかった。同社担当者によると、「内装工事の補修は住民の一時退去が必要」としている。同社は、「今後、施工品質の更なる向上を図るべく、教育の徹底と管理体制を一層強化し、再発防止を図ってまいります」と公表した。
同日、西松建設は21年3月期（連結）の業績予想を修正した。国内土木工事の利益率が前回予想より改善し、売上高は3362億円（前回予想3300億円）、営業利益209億円（同185億円）、当期純利益171億円（同180億円）と当期純利益のみ下方修正した。第4四半期に投資有価証券売却益135億2700万円を特別利益で計上するが、同四半期に補修工事の引当金として完成工事補修引当金繰入額90億円を計上するため、当期純利益は予想を下回る。
