【薬王堂H D決算説明会詳報】出店前期27→今期40店舗計画へ

【2021.04.19配信】薬王堂ホールディングスは4月19日、2021年2月期決算説明会の動画配信を行い、代表取締役社長の西郷辰弘氏がプレゼンした。

粗利率が前期23.0%から23.2%に上昇。今後も売価強化

まず、2021年2月期績(2020年3月1日~2021年2月28日)の業績について説明した。

出店実績については、青森県に5店舗、秋田県に6店舗、岩手県に6店舗、宮城県に2店舗、山形県に1店舗、福島県に7店舗の合計27店舗を出店。期末の店舗数は合計321店舗となった。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響や消費増税の反動減などの要因もあったが、売上高は前期比+8.3%と成長した。粗利益率が上昇し販管費率を低下できたこともあり、営業利益前期比+27.1%、経常利益同+23.5%、純利益同+5.4%となった。

売上高は1105億3500万円(前期比+8.3%)、売上総利益は256億5700万円(同+9.5% )。売上総利益率は23.2%となった。

4半期ごとに前期と比較すると、重点的に取り組んでいた売上総利益の見直しの成果が出始め、さらに販売管理費も低下してきている。
ただ、第4四半期の販売管理費では、2022年2月期分の修繕計画を前倒しした修繕費に加え、福島県沖地震の影響により宮城県と福島県の一部店舗の建物等の被害や記録的な大雪に対する除雪費などによる影響を受け、一過性の経費増加要因が発生した。
今後も引き続き売価を強化し、売上高を伸張させながらも 営業利益・経常利益・純利益を確保できる体制を整えていく方針。

業績要因としては、4点を挙げた。
1点目は既存店売上高が+2.8%となったこと。新型コロナウイルス感染症拡大の影響や消費増税の反動減などの要因もあったが、計画通りに推移した。
2点目は上期から準備していた粗利改善効果が出始め、下期からは改善傾向に入り、通期で粗利率を23.2%と上昇した(前期は23.0%)。
3点目は経費について、4月・5月の時間短縮営業やチラシ中止の影響により経費が計画より下振れした。
4点目は減損店舗などの特別損失を計上したことにより当期純利益に影響を与えた。

既存店売上高の前期比推移については、9月は消費増税、2月は新型コロナウイルス感染症関連商品の反動減があった。
1月は元旦営業の取りやめ、2月は前期がうるう年のため営業日数においては前期に対して2日不足している。しかし、反動減の発生月以外においては既存店売上高をおおむね100%以上で推移した。
2021年2月期の累計では前期比102.8%と堅調に推移した。

既存店の客数が増加し1人当たり買上点数は減少するという状況が続いていたが、一巡し、直近では前期に対する反動で客数が減少、買上点数が増加している状況となっている。
1人当たり買い上げ点数の7月以降の数字には レジ袋の実績が含まれており各月共に+3%程度の影響があった。

セグメント別売上高の状況では、ホーム部門が前期比+11.9%と高い伸び率となっており、全体を牽引した。半面、ビューティ部門においては外出自粛や在宅勤務などの生活スタイルの変化の影響により化粧品などが振るわず、前期比+1.0%にとどまった。

粗利益率の推移では、通期で粗利益率が23.2%と上昇。
2月単月が粗利率が落ち込んだことは、ここ数年で拡大させていたP B商品の見直しによる商品評価減の影響で、粗利益率で1.8%の影響が発生した。

今期は利益面を±0%で計画、出店増加経費や取り組みへの投資見込む

2022年2月期は、40店舗の出店を計画。県別内訳は青森県4店舗、秋田県9店舗、岩手県8店舗、宮城県4店舗、山形県6店舗、福島県9店舗の合計40店舗となる。2022年2月期末の店舗数は359店舗となる見込み。

売上高は 1208億円(前期比+9.3%)、売上総利益280億2500万円(同+9.2%)、売上総利益率は23.2%を計画。販管費は230億4900万円(前期比+11.5%)、販管費率は19.1%を計画。営業利益・経常利益・当期純利益は前期比増減なしの0.0%で計画している。

2017年より導入したポイントカードWA!CA(ワイカ)は2021年2月末時点の会員数は167万人となった。公式アプリは直近の3月では会員11万人を超え、順調に会員数を伸ばしている。

非接触・非滞在型サービスとしてP!ck and(ピックアンド)をリリース。アプリの注文から最短2時間で店内、もしくは駐車場での商品の受取が可能なサービスとなっている。店頭と同一売価、同一ポイントとなることも強み。
現在は試験的に4店舗での展開となっているが、今年度中の全店サービスを目指して、順次取扱店舗の拡大を図っていく方針。

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