三浦大知「表現者に徹して取り組んだ」多彩なニューシングルを発表

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【音楽通信】vol. 75

歌いながら踊ることはずっと好きなスタイル

抜群の歌唱力と世界水準のダンスパフォーマンスで、国内外の人々を魅了し続けている、三浦大知さん。

2005年3月のソロデビュー以降、「日本レコード大賞」優秀作品賞など数々の賞を受賞し、横浜アリーナほか規模の大きなライブ公演も軒並み成功を収めている、エンターテイナーです。

そんな三浦さんが、2021年4月21日に28枚目となるニューシングル「Backwards」をリリースされるということで、新作のことや音楽的なルーツ、オフの日のご様子などをうかがいました。

ーーすでにトップアーティストとして知られている三浦さんですが、おさらいとしてうかがいますと、幼少時に音楽にふれたきっかけはなんでしたか。

もともと両親がいろいろな音楽を聴いていた環境に育ったということもありますし、6歳のときにダンスレッスンに通うようになって、そこからさらにさまざまな音楽に触れるようになりました。ダンススタジオで聴いていたなかでも、やっぱり洋楽を聴く機会が多かったですね。

ーー2005年3月にシングル「Keep It Goin’ On」でソロデビューされました。それ以前からグループのときも、歌かダンスかどちらかのみではなく、「歌とダンス」の両方を魅せる展開で、しかも歌は生歌というスタイルで活動されていますね。

気づいたらそうなっていたと言いますか、このやり方が好きだからそうしています。だいたいのスクールは、ダンスはダンスだけ、ボーカルはボーカルレッスンだけというところが多いのですが、僕が行っていたダンススクールは歌とダンスを分けて教えないスクールで。歌いながら踊る、踊りながら歌うことを教えるスクールに行っていたから、そのスタイルでやってきたんです。これが自分の好きなスタイルでもあったので、これまでも続けてきたというところですね。

ーーダンスに限らずですが、誰しもが「好きなこと」と実際に「できること」は違うこともありますが、三浦さんの場合はそれがマッチされていたんですね。とはいえ、並々ならぬ努力をされているはず。

いえ、運がよかったんだと思います。ただ単に、好きだから、やってこられたんですよ。

ーー2020年は絢香さんやKREVAさんとのコラボレーション楽曲も発表されましたが、これまでもほかのアーティストの方と組まれることもありました。コラボの際は、ソロのときとはまた違ったスタンスでいらっしゃいますか。

やはり違いますね。僕の場合は、いろいろなアーティストの方に呼んでいただくことが多いんです。コラボするアーティストの作品では、自分のチームではなかなか作れない世界観みたいなものに、自分がどんなふうに感じるかを楽しむことが多い気がします。

“三浦大知らしさ”みたいなものはどうやっても自分から出てくるものだと思うので、あとは相手のフィールドに乗っかってみたいという気持ちがありますね。

ーーKREVAさんは何度か組まれていますが、他のアーティストよりも、よりフィットする感じは増してきているのでしょうか。

KREVAさんは、アーティストでもあり、プロデューサーでもあるので、とても引き出し上手な方。“三浦大知だからできること”と“KREVAさんと組んだ三浦大知だからできること”は違うと、KREVAさんもわかっているんです。

僕のことを「大ちゃん」と呼んでくださっているんですが、「KREVAの現場だからできることを大ちゃんにやってほしい」という想いがあって、KREVAさんはうまく導いてくれているところがあります。

ーー絢香さんの場合は、KREVAさんとはまた違う感覚はありますか。

KREVAさんと絢香ちゃんだと、もちろん関係性も違うのですが、アーティスト同士なので、そんなに気持ちが特段変わることはないですね。KREVAさんはラッパーですし、絢香ちゃんはシンガーなので、そういった面での作品性の違いはあります。

ーージャンルの違うアーティストの方々にラブコールされたうえ、きちんと作品を昇華されている三浦さんがすごいと思います。

いえいえ、僕はただただ、ありがたいなと思いながら、ベストを尽くそうといつも取り組んでいます。

表現者に徹して取り組んだニューシングル

ーー2021年4月21日に、ニューシングル「Backwards」をリリースされます。この曲にこめた想いをお聞かせください。

この曲は、音楽プロデューサーのNao’ymt(ナオワイエムティー)さんからいただいたメロディや歌詞です。ご一緒するときは、基本的に書いてくださったものを自分は“表現者”としてまとわせていただくことが多いですね。今回も「いま三浦大知がこんなことを歌ったら、こんなパフォーマンスをしたら面白いんじゃないか」とご提案いただいたものを、自分でどう表現するか、表現者に徹して取り組みました。

ーー3曲目の「Spacewalk」もすごくかっこいい曲で、聴き手も無重力の宇宙のなかに漂ってしまうような印象でした。この曲は三浦さんが作詞作曲を手掛けていらっしゃいますが、どのようなシチュエーションから生まれましたか。

これはUTAさんというトラックメーカーの方と組んで作りました。UTAさんとやるときは「最近、どんな曲を聴いていますか?」「どんな曲がやりたいですか」という世間話をしながら、「じゃあいまはこんな曲を作ろう!」と、遊びながら作るような感じです。そうして作り上げていくなかで、ちょっとゆったりとした心地いい「Spacewalk」が生まれました。

歌詞の内容は、以前UTAさんがインスタグラム上で「#三浦大知が世界に行かなきゃ誰が行くんだ」というハッシュタグを作ってくれて、それを応援してくださっているみなさんとシェアしてくれたことがもとになっていて、みなさんが盛り上がってくれてうれしかったんです。

だから、僕もインスタグラム上で「みんなで世界を飛び越えて、宇宙に行きましょう」と返信していたんですよ。そんな出来事があったので、UTAさんと今回の曲を作っていたときに、「この曲はあのエピソードで歌詞を作って、みんなで宇宙に行こう!」と決まりました(笑)。

音楽を聴いている間は、可能性は無限大ですし、どこまでも想像することができるじゃないですか。そんな「みんなで宇宙に行く」ことができる歌詞にできたらいいなと思って、この歌詞を書きました。

ーーいつもは、どのように曲作りをされていますか。

最終的なアウトプットというのは、僕は降りてくる、というのは一切ないので(笑)。絞って、絞って、最後の一滴を待つという感じです。とくに作詞は苦手なので、とにかく書くというのをずっとやっていますね。曲のテーマについては、ふとしたときに浮かんでくることはありますが、とにかく頑張っていますね(笑)。

ーーダンスの振りも、歌詞を書く段階で、自然とインスピレーションがわいてくることもあるのですか。

それはだいたい同時に浮かんできますね。音に導かれることが多いので、音を聴いて「こういう世界観でこんな色で、ダンサーがこれぐらいいたらどうだろう」とか、「ダンサーがこういう動きだったらどうかな」とか。曲をもとに映像化して、映像をもとに歌詞を書いたり、振りをつけたり。想像力で、「こんな世界観なのかな」と、音にインスパイアされて作っていくんです。

ーー2曲目の「About You」は、歌詞で言いますと「Can’t get you out of my head」のところのキーがすごく高くて驚きました。

いやあ、これは自分でもちゃんと歌えているのかわからないんですけれども(笑)。この曲もNao’ymtさんからご提案いただきましたが、デモの段階で「Can’t get you out of my head」の部分は声が出るかわからないけれど「トライしたい」という気持ちはあったので、レコーディングしたというところですね(笑)。歌として成立させることができました。

ーーこの曲はどのようなイメージで歌っていますか。

最近は、いまのこの時代や自分の年齢もあって、価値観や概念、自分の気持ちについてなどのアティテュードとして、歌詞を作ることが多かったんです。前作「Antelope」もラブソングだったのですが、「About You」は、いわゆるR&Bマナーで作ったラブソング。いまだからこそ、こうして2021年版のR&Bラブソングが生まれたことがうれしいなと思いながら、歌っていました。

ーーコロナ禍ということもあり、昨年は初の単独オンラインライブを開催されましたが、ご自身のなかで気持ちにおいての変化はありましたか。

よりつながりを意識するようになりましたね。いままでのつながりが当たり前じゃなかったことを、強制的に目の当たりにしたように感じています。だからこそ、音楽やエンタテインメントでつながってきましたし、つながることができるんだということを、コロナ禍のなかでの活動で再認識することがありました。この状況自体はよくないかもしれませんが、そういう部分と向き合ったことは、大きかったのかなと思います。

誰もまだやったことがないものを作り続けていく

ーー普段のご様子もお聞かせ願いたいのですが、お休みの日は、どのように過ごしていらっしゃいますか。

休みの日は、家族と過ごしていますね。

ーーおうち時間が増えているなか、気持ちの切り替えが難しい方もいるかもしれません。三浦さんのリフレッシュ法があれば教えてください。

ゲームが好きなので、ゲームがリフレッシュできるアイテムになっているかもしれないです。あとは意外と家のなかで、いろいろなことができるので、英語の勉強をすることも。カフェラテが好きなので、もともと持ってはいるんですが、好きなコーヒーのマシンを探して、美味しいカフェラテをいっぱい作ったりするのは、うれしい気持ちにつながります。さらにちょっと良いマグカップを買ってみると、コーヒーを飲むたびに、テンションが上がりますよね。

いま部屋に合う植物を探しているんですが「どんな種類の緑がいいかな」と考えるだけでも、楽しい。家のなかでできる小さなことをいっぱい探すと、いいんじゃないかなと。映画を観たり、全然連絡していない友達に電話してみたり、料理をしてみたり。ぼーっとしちゃうと考える時間ができてしまうので、何かをやってみるといいんじゃないでしょうか。

ーー常にアーティストとしてブラッシュアップし続けていらっしゃる三浦さんですが、「自分を磨く」ためのアドバイスがあればお聞かせください。

ずっと言っていることは、なんでも「楽しんだもんがち」だと思うんですよ。たとえば、スキンケアするにしても、新しい洋服を着てみるにしても、なんでも楽しんだもんがち。要は楽しむと、「じゃあ次はこんなことをやってみたらおもしろいかな」とやりたいことが出てきて、それが結果として、自分がアップデートすることにつながってくるので。

もちろんやりたくないことやイヤなこともあるかもしれないのですが、それをどう楽しめるか? と考える。すると、気づいたら、アップデートしているんです。でも、楽しくないと続かないので「続ける」ということが一番の自分のブラッシュアップだと思うので、なんでも楽しむことだと思います。

ーーでは最後に、今後の抱負をお聞かせください。

昨年からこのような状況になって、普段のライブができなくてオンラインライブが生まれたように、表現に制限があるいまだからこそ、新しいコンテンツがこれからも生まれていくと思うんです。僕自身も、いまだからこそ生み出せるものを常に模索し続けて、誰もまだやったことがないものをチームで作り続けていけたらいいなと思っています。

取材後記

高い歌唱力と卓越したダンスで、素晴らしいトータルパフォーマンスをわたしたちに披露し続けてくださっている、三浦大知さん。インタビューでは、誠実ですてきな人柄を実感することができました。そんな三浦さんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。


写真・北尾渉 取材、文・かわむらあみり

三浦大知 PROFILE
1987年8月24日、沖縄県生まれ。1997年、ダンスボーカルグループ「Folder」のメインボーカルとしてデビュー。2005年3月、シングル「Keep It Goin’ On」で、三浦大知としてソロ・デビュー。

天性の歌声とリズム感、抜群の歌唱力と世界水準のダンスで国内外の人々を魅了し、コレオグラフやソングライティング、楽器も操る日本を代表するエンターテイナー。

2019年には「天皇陛下御在位三十年記念式典」にて天皇陛下が作詞、皇后陛下が作曲された琉歌「歌声の響」を歌唱。2021年4月21日、28枚目となるニューシングル「Backwards」をリリース。

Information

New Release
「Backwards」

(収録曲)
01.Backwards
02.About You
03.Spacewalk
04.Didn’t Know
*収録曲は全形態共通。

2021年4月21日発売

(CD ONLY)
AVCD-98071
¥1,100(税込)

(CD+Blu-ray)
AVCD-98070/B
¥2,200(税込)

(CD+DVD)
AVCD-98069/B
¥2,200(税込)

-DVD & Blu-ray- ※2形態共通
01. Backwards -Music Video-
02. About You -Choreo Video-