デスク日誌(4/20):お釣り

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 大手生命保険会社が昨年募集したサラリーマン川柳に、次のような入選作があった。「我(わ)が部署は 次世代おらず 5爺(ファイブジイ)」
 ベテランの書き手がそろう論説委員会は、年齢的には「5爺」に近い。他のメンバーはともかく、筆者は「5G」とは無縁だ。
 典型的なアナログ人間は先日、テレビのワイドショーを見ていて、ちょっとしたショックを受けた。
 お釣りを知らない子どもが増えている。
 母親がスーパーなどでの支払いをキャッシュレスで済ませるのは当たり前のことになった。子どもは母親のそうした姿を見ている。子どもの小遣いも、何を買ったかが分かるため、コンビニなどでも使える交通系電子マネーで渡す親が増えているのだとか。
 確かに便利だが、果たしてそれでいいのかという思いは拭えない。若い頃、何を食べるか、何を買うかは、薄っぺらな財布の中身と相談しながら吟味した。画面上に並ぶ数字だけを見るのとでは、やはり違うような気がする。次世代の次を担う世代は、便利さと引き換えに、大切な何かを失ってはいないだろうか。(論説委員長 宮川宏)