他人の優しさが身にしみる希望の物語  4月24日に「ニューヨーク 親切なロシア料理店」上映

▲© 2019 CREATIVE ALLIANCE LIVS/RTR 2016 ONTARIO INC. All rights reserved

 マンハッタンの老舗料理店を舞台に、家族や仕事、恋愛にトラブルを抱える孤独な人々が“優しさ”を勇気と力に変えて、人生を再び取り戻す映画「ニューヨーク 親切なロシア料理店」(2019年、デンマーク、カナダ、スウェーデン、フランス、ドイツ)が、24日(土)に県教育会館(山口市大手町2)で上映される。時間は、午前10時半、午後2時、7時からの3回。

 ニューヨークのマンハッタンで創業100年以上の伝統を誇るロシア料理店「ウィンター・パレス」。しかし、現在オーナーとして店を切り盛りしているティモフェイは商売が下手で、かつての栄華は過去の栄光となり果て、経営は傾いていた。店を立て直すためにマネージャーとしてスカウトされたマークは、刑務所を出所したばかりで謎だらけの人物。店を支える常連の一人、看護師のアリスも、恋人に裏切られて以来、救急病棟の激務に加え「赦しの会」というセラピーを開き、他人のためだけに生きることを決意した変わり者。そのアリスを慕うジェフは、不器用さから次々と仕事をクビになっていた。

 そんな訳ありの人々が多く集う「ウィンター・パレス」に、まだ幼い二人の息子を連れて、夫の暴力から逃げてきたクララが飛び込んできた。無一文で寝る場所もないクララに、アリスとマーク、ジェフ、そしてオーナーも救いの手を差しのべる。しかし、ある事件をきっかけに、夫に居所を知られ、クララは追い詰められてしまう――。

 監督のロネ・シェルフィグは「幸せになるためのイタリア語講座」(2000年、デンマーク)で世界的に脚光を浴びたデンマークを代表する監督。「17歳の肖像」(2009年、イギリス)「ワン・デイ 23年のラブストーリー」(2011年、アメリカ)では世界中の女性から熱烈に支持された。本作では「ルビー・スパークス」(2012年、アメリカ)で脚本・製作総指揮を務め、さらにヒロイン演じたゾーイ・カザンを主演に、怪しいロシアなまりのオーナー役にビル・ナイなど、実力派キャストらが顔をそろえる。2019年には第69回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式出品、オープニング作品としてプレミア上映された。

 前売り券は一般1500円。同館、山口市民会館、YCAMなどで購入できる。当日券は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。電話予約・問い合わせは、主催の西京シネクラブ(大久保雅子代表、TEL083-928-2688)へ。

© 株式会社サンデー山口