「DAU.」第二弾は大長編6時間 ソ連全体主義社会を完全再現 秘密研究所描く 今夏劇場公開決定

空前のスケールでスターリン体制下のソ連全体主義社会を再現した「DAU. ナターシャ」の続編「DAU. Degeneration(原題)」が、今夏に劇場公開されることが決まった。

「DAU」プロジェクトは、忘れられつつある「ソヴィエト連邦」の記憶を呼び起こすために、「ソ連全体主義」の社会を完全に再現するという前代未聞のプロジェクト。オーディション人数約40万人、衣装4万着、欧州最大1万2千平米のセット、主要キャスト400人、エキストラ1万人、制作年数15年と空前のスケールで作り上げられた。第一弾として「DAU. ナターシャ」が2月に劇場公開され、全国46館で拡大公開された。

「DAU. Degeneration(原題)」は6時間を超える大長編で、「DAU. ナターシャ」が描いた1952年から10年以上が経過した、1966年から1968年が舞台となる。フルシチョフ時代を経て、スターリンが築き上げた強固な全体主義社会の理想が崩れはじめ、人々が西欧文化にも親しむようになった時期を描く。

前作では断片的に描かれた秘密研究所に入り込み、人間たちの生活をつぶさに映し出していく。秘密研究所では、年老いた天才科学者レン・ダウのもとで、科学者たちが”超人”を作る奇妙な実験を繰り返されている。前作でナターシャに壮絶な拷問を行ったKGB捜査官のウラジーミル・アジッポが、本作では少将へと出世を果たしてメインキャストを務めるほか、研究所所長のアレクセイ・ブリノフやナターシャのカフェの同僚だったオーリャも登場。オーリャは収容所に送られたナターシャの代わりに店を取りしきる立場となっている。

また、自身の肉体に暴力を加える過激なパフォーマンスで知られる、ユーゴスラビア出身のパフォーマンス・アーティストであるマリーナ・アブラモヴィッチも参加している。

【作品情報】
DAU. Degeneration(原題)
2021年夏、シアター・イメージフォーラム 他にて限定公開決定
配給:トランスフォーマー
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