東北電力ネットワーク(株)新潟支社が新潟市西区でカラスの巣の撤去作業を公開実施

東北電力ネットワーク株式会社新潟支社は20日、新潟市西区の新潟工業高校近くの電柱で、カラスの巣の撤去作業を公開で実施した。カラスの巣にはハンガーなどの針金がふくまれることから、電線への接触で停電が引き起こされる危険性があり、同支社は、「3月から5月の営巣シーズンは特に、巣を発見したら当社コールセンター(0120−175−366)に連絡してほしい」と呼びかけている。

カラスが作る巣の骨組みには木の枝のほか、ハンガーなど金属の針金がよく用いられ、雨などへ濡れて電線に接触すると漏電する可能性が高い。漏電した場合は、即座に自動的に電流が停止する仕組みのため、その電線が電気を供給している一帯が停電する。

3月末から5月にかけてはカラスの営巣シーズンであり、2020年は県内だけで5,837個の巣を撤去。新潟電力センター管内(中央区、西区、東区と、北区、南区、江南区の一部エリア)では882個もの巣が撤去された。2021年は3月31日時点ですでに県内全域で1,300個もの巣が撤去されている。

また、カラスの巣が原因となった停電は2021年時点ですでに5件(3月31日時点)発生している。直近では、新潟市中央区大川町通りなどで4月17日8時30分から9時46分にかけて1766戸が停電。また18日19時28分から20時6分にかけても中央区古町9番町でカラスの営巣による停電が発生した。

巣の撤去作業後に営巣防止器具を電柱へ取り付ける東北電力ネットワーク職員の様子

回収したカラスの巣を用いて停電までのメカニズムを説明する東北電力ネットワーク新潟支社配線技術サービス課の佐藤重明課長

巣を撤去する作業員の視点

東北電力ネットワークでは社員による見回りや、住民からの通報によってカラスの巣の撤去を進めている。20日には新潟市西区の新潟工業高校付近の電柱で、公開で撤去作業を実施した。

撤去作業は基本的に、高所作業車へ塔乗する2人と下で待機する1人の3人1組で行う。感電を防ぐため長大なペンチのような道具「間接活線工具」を用いて作業を行い、撤去作業は5分程度で終了する。この後、同じ場所へ巣を作ることを防止するための器具の取り付けなども行い完了となる。

なお、撤去作業を行うのは漏電の可能性がある場合のみであり、また、すでに卵がある場合は周辺の木などへ移動させているという。

東北電力ネットワーク新潟支社配線技術サービス課の佐藤重明課長は「近年は新型コロナウイルスの影響から在宅ワークの方も増えており、(停電への対策を強化することで)より安心して生活していただけるようにしていく。カラスの巣はいたるところに作られるため、町を歩いている時などに電柱に巣を見つけたら弊社まで連絡してほしい」と呼びかけた。

営巣防止器具は、様々な種類を試して中でも効果的なものを重点的に設置するようにしているという

今回撤去されたカラスの巣には金属類は用いられていなかったが、枝も長時間電線に触れたりなどすることで通電するという

撤去作業の様子

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