“第3のミルク”戦国時代 「植物性ミルク」人気の背景

今、スーパーではさまざまな「植物性ミルク」を目にするようになりました。牛乳の代替品として豆乳はすっかり不動の地位を築いていますが、この状況に続こうと追い上げをみせる植物性ミルク、通称「第3のミルク」の人気上昇の背景に迫りました。

ココナツやアーモンド、カシューナッツ、オーツ麦、米、麻などからできた植物性ミルクが市場に出てきていますが、この中で頭一つ抜け出したものがアーモンドミルクです。アーモンドミルクの国内市場が2020年に100億円を突破したことで、植物性ミルク全体の注目度が増しました。料理レシピサイトでもさまざまなアレンジメニューが紹介されていて、コーヒーに入れてラテを作ったりスイーツにしたりグラタンやスープにしたりするなど、牛乳の代わりにさまざまなメニューに使われ、牛乳とは違う味わいになると人気となっています。

栄養価の高さも人気の理由です。例えばアーモンドミルクはビタミンEが豊富で、オレイン酸などの不飽和脂肪酸も含まれています。オーツ麦ミルクの特徴は、牛乳並みのカルシウムが含まれていることや、食物繊維が豊富で脂質も豆乳より少ないという点が挙げられます。ライスミルクは、玄米から作られているものは特にビタミンやミネラルが豊富で、発酵させているものは甘酒のようにオリゴ糖が多いものもあります。最近は日本酒の酒造メーカーがライスミルクを手掛けるところも出てきています。

植物性ミルクの人気の背景として、牛乳にアレルギーがある人や、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする乳糖不耐症の人の存在、さらに「ビーガン」と呼ばれる動物由来のものを一切口にしない人が欧米を中心に日本でも増えていることが挙げられます。また、植物性ミルクは製品が出来上がるまでの地球温暖化につながるガスの排出量が牛乳に比べおよそ3分の1ということで、環境負荷が少ないことも注目されています。環境に配慮した「エシカル消費」が注目されている中、これからも植物性ミルクの勢いは止まりそうにありません。

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