蓮如の肖像画、今年もコロナで車移動 京都ー福井間、山道は徒歩で

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東本願寺を出発する御影道中の一行(2019年4月17日、京都市下京区)

 浄土真宗を中興した蓮如の肖像画を奉じて東本願寺(真宗大谷派本山、京都市下京区)から福井県まで門徒や僧侶が歩いて往復する行事「御影道中(ごえいどうちゅう)」が、新型コロナウイルス感染を避けるために2年続けて自動車で運ぶことになった。今年は福井県内の一部で徒歩の行程を予定している。

 蓮如による布教の歴史的背景もあり真宗信仰が盛んな近江路では、御影と呼ばれる蓮如像を輿(こし)に乗せて花で飾ったリヤカーで運ぶ一行の姿は、春の風物詩と親しまれてきた。道中に立ち寄る各寺では、僧侶や門徒が法要や接待行事で歓迎してきた。

 例年は4月17日に東本願寺から湖西沿いを進んで23日に福井県あわら市にある大谷派吉崎別院に到着後、蓮如をしのぶ法要を営む。帰路は5月2日から滋賀県の湖東、湖南を経て9日に東本願寺へ戻る。350年近く続き、太平洋戦争中も空襲を避けるために鉄道で運んだとされる。昨年は全行程を車で移動した。

 吉崎別院によると、今年は4月21日に東本願寺を車で出発。23日には、あわら市の照厳寺(しょうごんじ)から別院まで、道中を共にする人数を制限し、御影を背負子(しょいこ)で奉じて険しい峠の山道などを含め約2時間歩くことを予定している。吉崎別院の担当者は「昨年よりは少しでも布教のご苦労に触れることができる。来年につなげたい」と話している。

 4月23日から5月2日まで吉崎別院で営む「御忌(ぎょき)法要」は、規模を縮小して参拝者数を制限し、インターネットでライブ中継する。

≪蓮如≫

 「御文(おふみ)」などの手紙を通じてわかりやすい言葉で教えを広め、衰退していた本願寺を大規模教団に発展させた。越前の吉崎御坊をはじめ山科本願寺、大坂御坊(後の石山本願寺)を建立した。