クイーンのブライアン・メイ、ケリー・エリスとコラボした新曲「Panic Attack 2021」を公開

クイーンのブライアン・メイ(Brian May)が、女優兼歌手のケリー・エリス(Kerry Ellis)とコラボした新曲「Panic Attack 2021」を2021年4月16日にリリースした。さらにピクサーにて『ソウルフル・ワールド』『トイ・ストーリー4』『カーズ』といった3Dアニメ作品のスーパーヴァイザーとして活躍するボブ・ホワイトヒルによる最新リミックス・ビデオも公開された。

ケリー・エリスは英ウエストエンド及び米ブロードウェイで活躍する女優兼歌手。その2010年に発売されたデビュー・アルバム『Anthems』をブライアン・メイがプロデュースして以来、レコーディングやライヴ・パフォーマンスを通じ、定期的に2人はコラボを行ってきた。「Panic Attack 2021」は世界が困難な状況下にある現在、前向きな気持ちと希望を届けたいという願いを込めて特別に制作した新曲となっている。

動画:Brian May & Kerry Ellis - Panic Attack 2021

「Panic Attack 2021」は、2017年にケリー・エリスとブライアンがコラボした楽曲「It’s Gonna Be All Right (The Panic Attack Song)」を大胆に仕立て直した曲。原曲は、ブライアン・メイが個人的な立場から書いたもので、元は2017年に二人が発表したアルバム『Golden Days』に収録されていた。

今回の新ヴァージョンが誕生した経緯について、ブライアンはこう語っている。

「2020年の末には、もしかしたら古い年に別れを告げると同時に、パンデミックから解放され、新しい希望の時代が始まるのではないかという期待感がありました。でも、残念ながら、様々な規制の下で静かにクリスマスを祝った後、いざ新年を迎える段になった時、人類の戦いは好転へと舵を切る前に、恐らくさらなる悪化へ向かうだろうという実感を噛み締めるようになっていた。こういった状況の中、パニック状態に近い不安の高まりを感じている文字通り世界中の何百万人もの人々にとって、“It’s Gonna Be All Right (The Panic Attack Song)”という曲は全く新しい意味を持つ可能性があると、ケリーと僕は気づいたんです。英国では間違いなく誰もが、新しい年を迎えるに当たり、『明けましておめでとう』という気分を騙し盗られてしまったように感じていた。それで僕らは、この機会に、そんな思いを嘘偽りなく率直に曲で表現したいと思ったんです」

UKが再び厳戒態勢に入ったこともあり、この曲を作り直すためにスタジオに戻ることは何週間も不可能だったが、ブライアンは新しい歌詞を完成させ、ケリーは自宅のキッチンでラップトップのGarage Bandにマイクを接続しただけの機材で、新しいボーカルパフォーマンスのレコーディングを行った。

二人は、メールでのやりとりやZoomでのディスカッションを通じて、新しい「Panic Attack」のボーカルトラックを作り、新しいミックスやビデオのアイデアをまとめていった。このプロジェクトの原動力となったのは、何度も道を間違えたにもかかわらず、曲の言葉を借りれば「なんとかなる」という希望をリスナーに思い出させるような作品を作りたいという思いだった。

最終的には、ホーム・レコーディングの制限が緩和され、ブライアンとケリーはブライアンのスタジオで数日間、ソーシャルディスタンスを保った形で作業が行われた。クイーンとブライアンのエンジニアであり、共同プロデューサーでもあるジャスティン・シャーリー・スミスは、新型コロナウイルスから回復したばかりだったが彼はブライアン一緒に、新しいソロを含むギターワークとダイナミックなミックスを行った。数日後、ケリーとアイデアを交換しながら、新曲が完成した。

ミュージック・ビデオについては、ブライアンとケリーはそれぞれの家でiPhoneを使って映像を撮影。その映像は、クイーンの親友であり、多作なビデオプロデューサーであるサイモン・ルプトンが編集を担当した。サイモンは現在、毎週金曜日に公開されているクイーンのミニドキュメンタリー「Queen The Greatest」を制作している人物だ。3月末に公開されたビデオについてサイモンはこう語る。

「ブライアンとケリーが自分で撮影した映像は素晴らしく、この楽曲のビデオの完璧な素材となりました。幸運なことに、アニマインド・スタジオのジェイク・マクブライド氏に魔法をかけてもらい、この曲から溢れ出るエネルギーと喜びを強調することができました」

また4月に公開された同曲のBob Whitehill Editはピクサー・アニメーション・スタジオで3D・スーパーバイザーを担当しているボブ・ホワイトヒルが同曲を聴き、オリジナル版をリミックスしたもの。彼は次のように語っている。

「ブライアンとケリーが新たな概念のもと、“It’s Gonna Be All Right (The Panic Attack Song)”を作り直し、人々が再び繋がりあえるようになる希望に満ちた日々が近い将来待っていることを示そうとしているのを聞いて、すごく嬉しかったんだです。気力が挫かれ、心が折れそうになる毎日が続く中、こうして大好きな2人のアーティストから励ましの言葉をもらうことで、どれほど安心感を与えてもらえるか気づかされました。“大丈夫だよ、きっとうまくいく!”ってね」

「ブライアンと協力し、これまで皆で分かち合ってきた辛く苦しい旅路の一部を視覚的に捕らえ、その先にある喜びを垣間見ることが出来たのは、とても楽しい経験でした。僕らがこれまで耐え忍んできた様々なこと、そして願わくは、より明るいものとなるであろう明日への希望を描いたこの “ビデオ・リミックス”を、ぜひ皆さんに楽しんでいただきたいです」

Written by uDiscover Team

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