【パラアーチェリー】岡崎愛子が人生観明かす「後悔しないような生き方を」

日本財団パラリンピックサポートセンターが主催する「あすチャレ!メッセンジャー」オンラインシンポジウムが21日に行われ、アーチェリー女子の岡崎愛子(35=ベリサーブ)が自身の人生観を明かした。

大学へ向かう途中にJR福知山線脱線事故に巻き込まれ、脊髄を損傷。肺挫傷による肺炎で呼吸困難にも陥った。岡崎は「事故に遭って1か月くらいICU(集中治療室)に入っていた。肺も打っていたので、呼吸ができなくてICUの中で人工呼吸器を付けられて、24時間溺れているような感覚だった」と振り返る。

ただ、生死をさまよう中で「自分は死ぬんだと思ったときに、家族にも愛されてきたし、やりたいこともできていたので後悔はないと思った。そういうことがあって、自分が後悔しないような生き方をしたいと思うようになった」と新たな気持ちが芽生えたという。

卒業後は東京で一人暮らしをしながら、大手電機メーカーに勤務。6年間の東京生活を経て「何かスポーツをやりたい」と一念発起。東京パラリンピック出場を目指して、アーチェリーを始めた。

とはいえ、事故の影響もあって体幹が極度に弱まり、バランスを保つのは至難の業。最初は重りを入れたリュックを入れながら弓を打っていたが、試合では当然リュックは背負えない。それでも、3年間の試行錯誤を経て、自らの形を構築。2019年世界選手権のミックス戦(W1)では3位に入り、東京パラリンピック代表の座を勝ち取った。

最後には「私はこれまでリスクを取ることに躊躇したこともあったが、振り返ってみたときに一歩踏み出して後悔したことはないと思った。むしろやってよかったと思うことの方が多い。そういう意味では何か困難な状況に差し迫っても、一歩踏み出してとりあえずチャレンジしてほしい」と視聴者にエールを送った。

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