日本電産創業者の永守氏、CEO退任へ 後任に関社長

永守重信氏

 モーター大手の日本電産(京都市南区)は22日、創業者の永守重信会長(76)が6月22日予定の株主総会と取締役会で最高経営責任者(CEO)を退くと発表した。CEOは関潤社長(59)が引き継ぐと発表した。永守氏が経営トップの役職を譲るのは1973年の会社設立以来初めて。引き続き代表権を持つ会長にとどまり、経営に関わるが、自ら後継指名した関社長にグループの経営権と責任を集中させる。

 永守氏は日産自動車のナンバー3だった関氏を口説いて日本電産に招き、昨年4月に社長に登用。「2トップ体制」を掲げ、自動車や家電向けモーターなど主力部門の運営を関氏に委ねつつ、永守氏は経営全般や成長の原動力となってきたM&A(企業の合併・買収)などを指揮してきた。

 CEO禅譲は、約1年に及ぶ関氏の経営手腕を永守氏が評価したとも言える。事業がグローバルに拡大する中、関氏に経営の権限と責任を集中させ、迅速な判断ができる体制を整える考えだ。

 永守氏は創業後48年にわたり最前線で経営を指揮してきた。強力なリーダーシップで統率し、一代で連結売上高1兆6千億円超の巨大メーカーに育てた。

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