オンヨネ 「息しやすいマスク」商品化 上教大、池川准教授と共同開発

 スポーツメーカーのオンヨネ(本社・長岡市)は20日から、半導体製造装置メーカーの東京エレクトロン(本社・東京都)、上越教育大健康教育研究センターの池川茂樹准教授と共同開発した、息がしやすいマスクの予約販売を始めた。価格はマスク本体(SMLサイズ各)2200円(税込み)、着脱可能なインナー(SMLサイズ各)792円(同)。申し込みはオンヨネ公式サイトで。

 マスク、インナーともポリエステル製。本体に通気性があり、網目の大きさの異なる2種のメッシュを組み合わせ、飛まつの拡散を防ぎ呼吸しやすさを保つ。インナーは外部からの飛まつ対策に有効。いずれも家庭用洗剤で洗濯することができる。オンヨネは部活動の他、野外作業や講演、演説などでの利用を見込む。

マスク本体(オンヨネ提供)
インナー(オンヨネ提供)

 池川准教授は「不織布マスクを着用して運動すると、口や皮膚から体内の熱を逃がしにくくなる可能性があり」、熱中症リスクが高いことを、成人男性を被験者とした実験結果から導き出した。オンヨネは東京エレクトロンと半導体製造時に着用するクリーンスーツで培った、せきやくしゃみによる飛まつ拡散防止の技術をマスクに転用。隙間からの飛まつ漏れやマイクロ飛まつの吸い込みに関する試験でも高い性能を確認した。

 池川准教授は「コロナ禍で運動不足による生活習慣病や熱中症のリスク上昇、免疫力低下など、健康二次被害の発生を危惧している。マスク開発は、感染リスクを抑えながら安全に運動に取り組める環境づくりに寄与し、学校における『学びの機会』を担保できるものと期待している」と話している。

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