大村環境センター火災 油の漏出で引火か 復旧めど立たず

1号炉の油圧シリンダー。上部のホースの根元から作動油が漏出したとみられている(大村市提供)

 長崎県の大村市環境センター(森園町)で15日に発生した火災について、市は23日、焼却炉内のごみを運搬するための油圧シリンダーから作動油が漏れ、引火したことが原因とみられると明らかにした。
 市議会全員協議会で説明。市によると、1号炉の外側に設置されている油圧シリンダーのホース接続部付近が何らかの理由で緩み、作動油が霧状に漏出。高温状態の焼却炉下部の外装板に触れて出火し、燃え広がったと考えられるという。
 同センターには3基の焼却炉があるが、復旧のめどは立っていない。市は被害が少ない3号炉でも「1、2カ月で再稼働できる状態ではない」と説明。1日約100トン発生する燃やせるごみは県内外の処理施設に運搬しており、超過分は同センター敷地内に仮置きしている状況という。
 市は同日、6月末までのごみ処理費用や運搬経費などを盛り込んだ3億円の本年度一般会計補正予算を専決処分。園田裕史市長は「他自治体などの協力でごみは処理できているが、市民にもごみの減量をお願いしたい」と話した。


© 株式会社長崎新聞社