米軍キャンプ・キンザーの洗濯施設 106億円投じ仮移設 防衛省

 【東京】防衛省は22日、国道58号の拡幅に伴う米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の一部返還に関連し、同地区内の別の場所に整備した洗濯施設の整備に106億円を投じたと明らかにした。牧港補給地区の東側は2013年の統合計画で「25年度またはその後」に返還することとされており、洗濯施設も嘉手納弾薬庫知花地区へ移転される計画だ。今回の整備はあくまで「仮移設」との位置付けだが、鉄筋コンクリート造となっているなど長期的な使用も想定される。

 防衛省は洗濯施設の仮移設について「一定の額がかかったのは事実だが、国道拡幅の早期実現のために必要だ」と説明した。知花へ移設が終われば仮移設施設は廃止し、牧港補給地区の倉庫群は「早期に返還する」と説明し、今回の整備が返還に与える影響を否定した。

 洗濯施設の移設先となっている知花地区は、倉庫群の配置を見直すこととなり、進捗(しんちょく)に遅れが生じている。防衛省は国道58号の拡幅は「地元の要望もあり、早期に実現しないといけない。(仮移設前の洗濯施設は)米側も必要な施設として使ってきており、機能を維持したものを作る必要がある」との認識を示した。

 106億円は事業に着手した17年度以降に要した額。施設は今年1月に完成し、米側が順次使用を始めている。日米両政府は22日、同施設を沖縄防衛局が維持管理することとし、そのために施設が建つ土地約2万6千ヘクタールを日米が共同使用することで合意した。洗濯施設は本体が6700平方メートルで、付帯施設がある。

 同日の日米合同委は北部訓練場に整備した道路や門扉、擁壁などの米側への提供でも合意した。

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