伝統の結婚式が10年ぶり復活 奈良尾神社のアコウ樹くぐり

式を終えた新郎新婦と祝福する地域の人たち=新上五島町、奈良尾神社の参道

 長崎県新上五島町奈良尾郷の奈良尾神社で22日、境内にある樹齢650年以上のアコウ樹(国指定天然記念物)の根のアーチをくぐり神前に参る、奈良尾地区伝統の結婚式が10年ぶりに復活した。
 挙式したのは同町の会社員、土岐真輝(ときまさき)さん(37)と自営業、芽衣(めい)さん(29)。同地区の花嫁、花婿らがアコウ樹の参道をくぐり抜けて神前に進んでいたと地域の人々から土岐さんが聞いたのがきっかけ。自分たちも伝統の結婚式を挙げたいと思い立ったという。
 参道には多くの人が集まり、神前式を終えた新郎新婦らがアコウ樹の下を通って出てくると「おめでとう」の声が飛び交った。
 人口減や過疎化が進み、若い世代が少なくなった同地区にとっても明るい話題。同神社禰宜(ねぎ)の吉田貴徳さん(51)は「感慨深い」と語った。
 土岐さんは「こんなにたくさんの人が集まり、祝ってくれるとは。うれしく、ありがたい」と笑顔で話した。

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