多摩川の水、逆流防止へ 川崎市、中原・高津区の4カ所に「ポンプゲート」整備へ

阿武隈川で稼働しているポンプゲート(国交省福島河川国道事務所郡山出張所提供)

 川崎市は、多摩川の水位上昇による排水樋管への逆流防止に向け、新たに「ポンプゲート」を整備する方針を明らかにした。2019年10月の台風19号で生じた浸水被害を教訓に、中原、高津区の4カ所に設置する方向。下流部へのポンプ場新設も検討し、中長期的な浸水被害軽減策として取り組みを進めていく。

 ポンプゲートは、河川の水位が上昇した際にゲートを閉めて河川水の逆流を防ぎ、ポンプによって多摩川に排出する仕組み。整備に必要な用地を最小限に抑えられるほか整備の費用や期間も短いため、「早期に効果を発揮することができる」としている。

 国内では福島県郡山市の阿武隈川などに設置されており、同市は「ゲートを閉じた状態で強制排水ができるようになり、効果を発揮している。排水ポンプ車を使う手間も省ける」(河川課)と評価する。

© 株式会社神奈川新聞社