楽天・田中将「日本復帰1勝」の裏に〝フラストレーション〟「結果を出すしかない」

日本通算100勝を達成した田中将はファンの声援に応えた

楽天・田中将大投手(32)が24日の西武戦(楽天生命)で今季初勝利を挙げ、NPB通算100勝をマークした。そのモチベーションとなったのは〝フラストレーション〟だった。

プロ野球史上2番目、177試合目での節目到達のスピード記録となった田中将は「粘り強く我慢しながらなんとか1点で切り抜けられた感じですかね。点差も1点でしたし、守りもいい守備が数多くありましたし、リリーフもいい投球をしていたので信じていました」と試合を振り返っていたが、前回17日の初登板(日本ハム戦)で黒星スタートを喫した際には「オープン戦と違ってシーズンに入れば勝った、負けた、そこが重要。どういう形であれ(打者を)抑えなくてはいけない」と敗戦の事実を重く受け止めていた。そこには状況がどうであれ〝プロは結果がすべて〟という強い信念がにじんでいた。

忘れてしまいがちだが、田中将の現状は開幕直前に発症した右ヒラメ筋損傷から、約1か月戦列を離脱し、二軍戦調整なしのぶっつけで先発ローテーションに戻って2戦を消化したところ。しかし、大きな期待を集めてのNPB復帰が出足からつまづいてしまったことには多くの批判的論調も集中した。

もちろん、田中将もプロ15年の経験の中で周囲の雑音は結果で封じるしかないことを心得ている。本人は「その通りですよ。(フラストレーションは)そこ(結果)で出していくしかない。ただ、そこに対しての思いがずっとあるわけではない。出遅れたという事実はあるし切り替えて前を向いていくしかない。また今日からは次の登板に向けてどうやって入っていこうか、準備していこうか。その繰り返しですね」とさらり。

日米を通じ、これまで何度もの批判を結果でねじ伏せてきた178勝右腕。今回もその〝ストレス〟を心のガソリンに替えて勝ち星を積み重ねていく覚悟のようだ。

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