【香港・クイーンエリザベスⅡ世C】豪快Vラヴズオンリーユー 次走・宝塚記念で頂上決戦へ

ラヴズオンリーユーは直線で豪快な末脚を見せた(©Hong-Kong-Jockey-Club)

25日、香港のシャティン競馬場で行われた「香港チャンピオンズデー」で日本馬は2レースに参戦。GⅠクイーンエリザベスⅡ世カップでは出走4頭で1~4着独占という快挙をやってのけた。新型コロナウイルス禍で欧州勢の参戦がなく地元・香港VS日本の図式だったが、先のドバイ遠征での雪辱(2着4回)を果たすと同時にチーム・ジャパンの底力を改めて世界に示す結果となった。

初の海外遠征となった3冠牝馬デアリングタクトの単オッズは1・7倍。本来なら“当確”の断然人気だったが、敵は身内にいた。タイムワープをかわして3番手のインから抜け出そうとするデアリングタクトに、猛然と後方から襲いかかるのは同じ日本勢。外からラヴズオンリーユーが鞍上ホーの手綱で気合を入れられて一気に末脚を爆発させる。そのまま一気にゴールし、一昨年のオークス以来となるGⅠ制覇を海外で成し遂げた。最後方から脚を伸ばしたグローリーヴェイズが3/4馬身差まで猛追して2着。デアリングタクトは3着となったが、続く4着はキセキと上位を日本勢が独占。昨年の当レースの覇者エグザルタントは5着に沈んだ。

地元のホープ、ホーは「最高の気持ちです。神様に感謝したい。道中はスムーズだったし、レースもパーフェクトでした」と満足げな表情。日本馬の同レース制覇は2002年&03年エイシンプレストン、12年ルーラーシップ、17年ネオリアリズム、19年ウインブライトに次ぐ6回目となった。

阪神競馬場で観戦していた矢作調教師は「さすがに声が出たな(笑い)。まず思ったのは、この世代は(牝馬も)強いということだよね。中間はドバイで調整して1頭で難しかったはず。その中でこれだけ走ってくれたのはスタッフと馬が頑張ってくれたから。心から感謝しています」。

レースについては「ジョッキーは『デアリングタクトを内に閉じ込めたい』と言っていたけど、俺はそれにこだわらず、ペースはそんなに速くならないと思うので自分のペースで競馬をしてくれ、とだけ伝えました。いつも3~4角で手応えが悪くなるからね。そこさえ頑張ってくれれば直線は伸びてくれると思っていた。本当に強かったと思います」。

今後は自厩舎の3冠馬コントレイル、昨年の夏冬グランプリを制したクロノジェネシスなど、トップホースが集結する6・27宝塚記念出走が濃厚。「(今後)使うとすれば宝塚記念になると思うけど、それは帰ってからの馬の状態と相談してからになると思います」と笑みが絶えなかった。

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