韓国の仮想通貨取引所大手オーナーが詐欺容疑で逮捕...存続に影響?

ソウル警察庁は25日、韓国の仮想通貨取引所大手であるビッサム(bithumb)のオーナーを逮捕したと明らかにした。

ソウル警察庁は、ビッサムホールディングス・ビッサムコリア理事会の前議長であり、ビッサムの実質オーナーであるイ氏(45)を詐欺(特定経済犯罪加重処罰などに関する法律違反)の疑いで検察に送致した。イ前議長は、韓国二位の仮想通貨取引所であるビッサムの持株会社・ビッサムホールディングスの株式65%を保有する筆頭株主だ。

イ前議長は2018年10月、BXAという仮想通貨を作り、世界の主要仮想通貨取引所12所で使えるようにするとし、300人から300億ウォン(約29億円)の投資金を集めたが、BXAはビッサムに上場されなかった。当初200ウォン程度だったBXA価格は2019年9月に2ウォンにまで落ちた。損失を蒙った投資家等は、昨年3月にイ前会長を詐欺および財産国外逃避の疑いで警察に告訴した。

韓国の仮想通貨取引所は今年9月までに実名口座取引で金融当局に申告しなければならず、この過程で、代表や役員が不法行為を犯した同取引所は、金融当局によって登録を拒否される可能性がある。最大株主に関連しては同様の規定がないことから、存続には問題がない。

しかし、韓国政府は90年代末の通貨危機の教訓から、資本の流出には敏感になっており、加熱しやすい仮想通貨取引に対しても厳しい視線を送っている。22日には、韓国の金融監督当局であるウン・ソンス金融委員会委員長が、現在韓国で運営されている仮想通貨取引所のすべて閉鎖される可能性があるとの趣旨の発言を行っており、ビッサムの行方にも影響する可能性がある。

(参考記事:「韓国の仮想通貨取引所200カ所が全て閉鎖される?金融委員長が可能性を言及」)

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