欧州SLとん挫の影響で久保に急転レアル復帰浮上 予定していた収入消え積極的補強できず

久保建英

スペイン1部ヘタフェに期限付き移籍中の日本代表MF久保建英(19)が、欧州スーパーリーグ(ESL)構想失敗の影響で来季はレアル・マドリードでプレーする可能性が出てきた。

1部残留をかけた重要な試合だった25日のウエスカ戦で出番なしに終わり、改めてチーム内での苦境が浮き彫りになった久保。現地メディアでは今夏に再びレンタルでの武者修行や、保有元のRマドリードが売却する方針も取りざたされて去就に関心が集まっているが、急転して来季名門の一員として復帰する選択肢が浮上してきた。

スペイン誌「ドンバロン」は「Rマドリードには選手が少なく、一部のポジションは特に質が悪い。ジダン監督は今後のチームがどうなるのか非常に懸念している」と現状はチーム編成に四苦八苦しており、来季に向けて指揮官が補強を要望していると指摘。

「クラブからの答えは、レンタルしている選手がチームに質の高い飛躍を与え、チームを完成させるために戻ってくるということだった。次の8月には、MFマルティン・ウーデゴール(22=アーセナル)、MFヘイニエル(19)、久保が重要な役割を果たすよう(クラブから)求められている」と久保を含めた3人が来季の戦力として名門に復帰することが有力な選択肢として検討されている。

放出要員にもなりかけていた久保が突如として来季の構想に入ってきたのは、ESLの失敗が影響している。

「ESLが無に帰した場合、フロレンティーノ(・ペレス会長)のプロジェクトによって発生したはずの収入がなくなりクラブの資金は当面増えない」と同誌は指摘。Rマドリードが主導して進めていたESLがこのまま消滅すれば見込んでいた莫大な収入が霧散し、金融機関からの融資も難しくなる。クラブ経営を軌道修正するにも時間がかかるため今夏の移籍市場は積極的に動くことができず、レンタルしている選手の復帰が補強の中心に。中でも才能が高く評価されている3人が戦力の構想に入ってくるというわけだ。

肝いりだったESLのとん挫はRマドリードにとって大誤算だったが、久保には大きなチャンスが到来しそうだ。

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