新潟県の2021年度雇用動向に関する企業の意識調査 正社員の採用予定が4年ぶりに増加

正社員採用、「採用予定あり」は59.0%

帝国データバンク新潟支店がまとめた「2021年度雇用動向に関する企業の意識調査」によると、正社員の採用予定が4年ぶりに増加した。

2021年度に正社員の採用予定がある企業は59.0%と、前回調査(2020年度)から5.4ポイント増と、4年ぶりに増加。規模別では、「大企業」は88.6%(同3.9ポイント減)で高水準ながらも2年ぶりに8割台となった。一方、「中小企業」は54.2%で同 7.5ポイント増となったが5割台にとどまり、採用を予定する企業は相応にあるものの、慎重な姿勢もみられる結果となった。 企業からは、「2021年後半に新規量産が立ち上がる見込み。また、社内体制が整い、新たに新規営業を積極的に行う予定」(機械製造)や「従業員が高齢化しており、若手社員を募集している」(建設)などの声が聞かれた。一方で、「地方の中小企業に於いては、募集をかけても人が集まらない」(建設)など、採用に苦慮しているといった意見も少なくない。

正社員採用、新卒新入社員は43.4%、中途社員は 50.6%で採用予定

2021年度の正社員の採用見込みを新卒新入社員と中途社員でそれぞれ尋ねたところ、「新卒新入社員」は 43.4%、「中途社員」は50.6%となった。企業からは、「新卒は例年通りの採用数を予定。中途は増員局面にはなく、欠員の補充程度となる」(輸送用機械・器具製造)などの意見があった。

非正社員の採用予定企業は32.3%、採用予定はないは9年ぶりの5割超に

非正社員では、採用予定がある企業は32.3%で前回調査から3.9ポイント減少し、2年連続で3割台にとどまった。一方、採用予定はない企業は9年ぶりに5割を超えた。企業からは、「新事業開業のため」(飲食料品・飼料製造)や「短期で人材が欲しいから」(鉄鋼・非鉄・鉱業)など、現状の企業情勢によって非正社員の採用を予定している企業があった。その一方で、「同一労働同一賃金等の影響もあり、採用に後ろ向き。今後は正社員を増やす予定」(輸送用機械・器具製造)といった企業もあった。

70歳までの就業機会確保への対応は、継続雇用制度の導入が 31.9%でトップに

政府は、2021年4月に高年齢者雇用安定法を改正し高年齢者の就業機会増加を図るなど、シニア層の雇用拡大策を積極的に推し進めている。こ2021年4月より新たに努力義務となる「70歳までの就業機会確保」への対応について尋ねたところ、「70歳までの継続雇用制度の導入」が31.9%で最高。また、「もともと70歳まで働ける制度がある」は 12.7%、「(現時点で)対応は考えていない」は33.1%だった。「分からない」は12.4%となり、対応を決めかねている企業も1割あった。企業からは、「元々65歳以上は、本人が望み、かつ社内で活躍の場があれば、半年から1年単位で更新している」(機械製造)など積極的な雇用を考えている企業がある一方で、「現在65歳定年制を採用している。就業意欲がある人については70歳までいて欲しいが、一律に70歳までの雇用となると腰が引ける」(鉄鋼・非鉄・鉱業)など、全面的に制度採用となると、導入を躊躇する企業もみられた。

© にいがた経済新聞