五島 二次離島で一般向けワクチン接種開始 16歳以上対象

ワクチンを接種される20代の住民(中央)=五島市、嵯峨島漁村センター

 長崎県五島市の二次離島、嵯峨島と椛島で26日、16歳以上の島民を対象とした新型コロナウイルスワクチンの一般向け接種が始まった。県内で医療機関や高齢者施設などの従事者を除き、65歳未満の一般の人の集団接種は初めて。
 ワクチン接種は4月以降、65歳以上の高齢者に接種した後、高齢者施設の従事者、基礎疾患のある人、一般の人と対象を広げていく。ただ、政府は人口千人未満の離島や自治体では、高齢者以外の住民も同時に接種することを認めている。
 五島市は、県本土と直接の交通機関がない八つの二次離島について、特に高齢者が多く、医療体制が脆弱(ぜいじゃく)なため、重症化リスクが高く、島全体がクラスターになる恐れがあると判断。
 八つの二次離島を6地区に分けて26日~5月12日、計約400人に1回目のワクチン接種を見込む。その後、福江島などの高齢者施設へと続く。
 嵯峨島は人口約100人で高齢者が4割を占める。医師は常駐していない。26日は医師3人と看護師のほか、副反応に備えて救急救命士らが福江島から渡り、港近くの嵯峨島漁村センターで実施。対象者約90人のうち、20代~90代の73人が接種を受けた。市立嵯峨島小中事務員の池谷惇さん(24)は「子どもと接するので早めに接種を受けられて安心した」と話した。
 椛島では対象者76人のうち30人が接種した。27日も実施する。
 市国保健康政策課は「接種を待つ人たちが集まり、密になる時間帯があった。今後の接種に向け、受付開始時間の呼び掛けなどを工夫したい」としている。

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